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【長野】

「人間らしく暮らせる」 中国残留孤児、訴訟取り下げ

2008年3月8日

笑顔で長野地裁をあとにする原告団=長野地裁で

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 中国残留孤児が国家賠償を求めていた訴訟は7日、原告団が長野地裁への訴えを取り下げ、4年に及ぶ裁判が終結した。原告団と弁護団は、訴訟が改正支援法の成立につながったことを喜ぶとともに、残る課題へ引き続き取り組むことを確認した。

 原告団は閉廷後、一様に安堵(あんど)の表情を浮かべ、笑顔で長野地裁をあとにした。その後の会見で、弁護団長の下平秀弘弁護士は「日本人としての人間の尊厳が保たれる老後保障を勝ち取ることができた」と、訴えが法改正につながった経緯を説明した。

 原告団長の清水巌さん(68)=長野市=は「人間らしくない生活への我慢は限界だったが、必ず勝つと信じてきた。これで静かで人間らしい生活を送れる」と喜びを語った。

 改正中国残留邦人支援法は、国民年金の満額支給や生活支援制度を約束している。下平弁護士は「預金額によっては支援対象にならないほか、死亡した孤児の配偶者らへの支給要件は厳しい」と指摘。「言葉の問題も残っている」として、当面は原告団、弁護団ともに解散せず生活改善を訴えていくという。

 

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