(cache) WEBサッカーマガジン｜本誌連動インタビュー「FIELD」スペシャル版！

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小林	U-23代表に復帰できたことは素直にうれしいですね。チームのみんなも「おめでとう」と言ってくれました。五輪予選は、テレビでほとんどの試合を観戦していました。 U-23代表で、一緒にプレーするのが楽しみな選手は……僕が代表に入っていた頃とは、かなり変わってますからね。でも、去年のJ2で対戦してみて、セレッソの香川（真司）は、すごく良い選手だなと思いました。自分で局面を打開することができる選手。そういうプレーは、うらやましい部分ですね（笑）。
小林	昨シーズンの終盤は、自分自身の調子も良かったですけど、「もしかしたら代表に選ばれるかも」とか、そんな意識は特別なかったですね。とにかくJ1に上がることに必死だったし、プレッシャーもかなりあったので。正直、J1・J2入れ替え戦は、もう二度と経験したくないですね（笑）。周りからは緊張なんてしないタイプに見られるんですけど、密かにかなり緊張していました。
小林	でも、入れ替え戦を経験したことで、自信はつきました。「ここでJ1に上がるのか、J2に残ってしまうのかで、自分のサッカー人生も大きく変わってしまうな」と感じていた中で、勝つことができた。コンディションさえ良ければ、J1の舞台でも最低限のことはできるという手応えはつかめました。
小林	去年は、試合に出られない時期もありましたし、五輪代表にも呼ばれなくなりました。でも、僕はどちらかというとマイペースなタイプなので、あまり考え込まなかったですね。試合に出られないのは、何かしら自分に足りない部分がある。腐らずにやることが、後々自分に返ってくると、割り切っていました。
小林	そんな状況で、キュウさん（加藤久監督）が監督に就任したことは、僕の中ではかなり大きなことでした。キュウさんの言葉は、一つひとつに重みがあって、「頑張らないといけないな」という気持ちにさせてくれる。選手のモチベーションを上げるのがすごくうまいので、僕のこともうまく乗せてくれたと思います。

小林	試合に出られるようになって、自分自身が変わったと思うのは、ゲーム中に必死さを出せるようになったこと。昔のような「これぐらいでいいや」という気持ちはなくなりました。「ディフェンス力が上がった」と言われる要因も、そこにあると思います。やっぱり、モチベーションは大事。これからも、常にこの気持ちを保たないといけませんね。
小林	今年は、新しい選手がたくさんチームに加わりました。みんな、ものすごく経験豊富なので、毎日、見習うことばかりです。ピッチの上での存在感もある。例えばヤナギさん（柳沢敦）だったら、今までテレビで見てイメージしていたよりも、かなり動きます。何回も何回も動いて、ダメならもう一回動き直してというのを繰り返してくれる。あれだけ動いてくれると、「良いパスを出さないとな」と感じますね。僕のような中盤のパサーは、フォワードの動きに合わせるのが仕事。逆にフォワードは、こちらに合わせないといけない。お互いの考えがぴったり合ったときに、ゴールは生まれると思うんですけど、そこが難しいところでもあるんですよね。
小林	たくさんの新加入選手の中でも、マス（増嶋竜也）が移籍してきたことは、かなりうれしいですね。マスはU-20代表でも一緒でしたし、昔から知っているので。鹿児島キャンプのホテルも同部屋で、一緒にゲームをやっていました。久しぶりに同期の選手が入ってきたので、気持ち的にはかなり楽です。
小林	もちろん、それだけの選手が入ってきたということは、ポジション争いも厳しくなります。サンガの中盤はかなり良い選手がそろっていますからね。ただ僕は、その中でも一番攻撃的なタイプだと思っています。だからこそ、攻撃に関しては誰にも負けたくない。自分としては、「ここにしか通らない」というところにパスを通すとすごくうれしいし、それが点につながれば最高です。ただ、自分自身でも、もっと貪欲にゴールを狙っていくべきだと思います。海外だと、中盤の選手が点を取るのは当たり前ですからね。前線に出て行く力だったり、点を取る能力をもっと上げていければと思います。
小林	ポジションに関しては、相手ゴールには近いけど、フォワードではない。外に開き過ぎてもダメ。そういう、前に人がいて、ゴールに直結するパスを出せる位置が一番好きです。今年は、システムも相手の戦術に合わせて、4-2-1-3、4-4-2を使い分けると思いますが、ベースは去年のサッカーだと思うので、自分の持ち味は出しやすいはず。 U-23代表の米国遠征で、チームを離れる不安がないかと言われれば、ないとは言い切れない。でも、やるからには両方で結果を追求しますよ。

なかやま・ひろき／1985年12月13日生まれ。鹿児島県出身。
鹿児島城西高から04年に京都加入。敵の急所を突くキラーパスと得点力で、1年目から3ゴールを挙げた。その後は相次ぐ負傷もあり、出場機会を失っていたが、昨季途中の加藤監督就任以降はレギュラーに定着。
J1・J2入れ替え戦でも活躍し、U-23代表にも復帰した。
177㎝、70㎏。

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Hiroki’s WORD

「キュウさんが、そう言ってくれているなら…」。こう言って、ペンを走らせる。中山のU-23代表復帰について感想を求められた加藤監督は、「あいつはハードワークできるから、問題ないでしょう」と語った。その非凡なパスセンスと、監督の要求に応える献身的な姿勢は、京都でも、U-23代表でも大きな力となる。

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