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社会3月13日19時22分更新
被害者を匿名「甲、乙、丙…」 最高裁が初適用

 埼玉県入間市で暴力団組長ら5人を射殺したとして殺人罪などに問われ、1、2審で死刑とされた元組長の上告審弁論が13日、最高裁第1小法廷であり、才口千晴裁判長は、昨年12月施行の改正刑事訴訟法に基づき、法廷で被害者を匿名とする決定をしたことを明らかにした。

 最高裁では今回が初の適用。弁論では検察、弁護側双方が被害者を名前ではなく「甲」「乙」「丙」などと呼んだ。

 法廷で氏名や住所など被害者特定につながる情報を非公開とする制度は、性犯罪や暴力団絡みで報復の恐れがある事件などの公判で、被害者側の申し立てを受けたり、裁判所が独自に必要性を判断したりした場合に適用。最高裁によると、1月までに全国の地、高裁の計137事件の審理で実施された。

 この日、弁論があったのは指定暴力団住吉会系元組長山本開一被告(60)。弁護側は死刑の回避を主張、検察側は上告棄却を求め、結審した。判決日は後日指定される。

(初版:3月13日19時22分)
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