国会議員に靖国映画試写会　自民若手が文化庁通じ要請

　靖国神社をテーマにしたドキュメンタリー映画「靖国　ＹＡＳＵＫＵＮＩ」の内容が「反日的」と聞いた一部の自民党国会議員が文化庁を通じて要請していた国会議員向けの試写会が１２日夜、東京都内で開かれた。

　映画は４月の公開予定で、文化庁の所管法人を通じて助成金を受けていた。こうした形の試写は異例。配給会社側は当初「事前検閲だ」と反発していたが「一部議員ではなく全国会議員が対象ならば」と承諾した。

　映画は軍刀「靖国刀」を打ち続ける刀匠が、戦争や神社に抱く複雑な思いを軸に描いた。監督は１９８９年から日本に住む中国人の李纓さん。文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」が管理する芸術文化振興基金から２００６年度に助成金７５０万円を受け制作された。

　配給会社は「問題があるという風評が独り歩きするより、多くの人に見てもらった方がいい」と判断し全議員に案内状を送った。