「竹島の日」(二月二十二日)啓発イベントとして二十四日、島根県松江市殿町の県民会館で領土問題を考えるフォーラム(島根県など主催)が開かれた。専門家二人の講演のほか、県竹島問題研究会が二年間の研究成果を報告。下條正男座長(拓殖大学教授)は古地図や文書をもとに「韓国側が竹島(韓国名・独島)を自国の領土だと主張する歴史的根拠はどこにもない」と語った。
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「領土問題にもっと関心を」と訴える講師の話に耳を傾けるフォーラム参加者ら=24日、松江市の県民会館 |
研究会の杉原隆副座長は、竹島の西北西九十二キロに位置する韓国・鬱陵島の現地調査(昨年十一月)結果を交えて報告。韓国側が、朝鮮で作成された「鬱陵島図」で鬱陵島の東側に描かれた于山島(ウサントウ)を独島(竹島)だと主張している点について「位置的に于山島は独島ではなく、鬱陵島の東側二キロにある竹嶼(チクショ)と考えられる」と指摘した。
また、十七世紀に米子の大谷、村川家が幕府の許可を得て鬱陵島(当時の呼び名・竹島)にアシカなどの漁に出掛け、竹島(同・松島)を休憩地として利用し、両島の正確な地図が作成されているとして「竹島は一六五〇年ごろから日本人が実効支配していた」と強調した。
下條座長は、韓国側が領有権主張の論拠としている、一八七七年に日本の太政官が作成した「竹島外一島、本邦無関(関係なし)」との公式文書について当時の地図資料を示し、現在の竹島の位置に島が描かれていない間違った地図に基づくものと反論した。
これに先立ち、佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授と黒田勝弘・産経新聞論説委員(ソウル支局長)が講演。教育などを通じて領土問題への関心を高めていく必要性を指摘した。