他人事

 忘年会の時に女性の悲鳴で振り向くと、寅さんがA子さんを押し倒して抱きついていた。
遠くから 『何しているんだ !! 』 と怒鳴り、近付くと 『ヒロタン、今日は荒れているね』 と一言。
後は何事も無かったかにように雑談を続けている。
その場に居合わせたB子さんも、何事も無かったかのように…
 
 B子さんは、目の前でA子さんが押し倒されるのを見て何も感じなかったのだろうか…
目の前の出来事を見ながらも、自分には絶対にそんな事をされないと言う自信でも有ったのだろうか…
いや彼女にとって、それさえも感じない、取るに足らない出来事でしかなかったのだと思う。
 結局怒鳴った私が、忘年会を騒がせた悪者です。
この出来事が稜友会の現実を雄弁に物語っている。
いろんな山行や出来事の問題点を指摘し、改善を図ろうとしても反応は無い。
『批判ばかりして』 と言われるだけです。
会山行でリーダーに背いて行動したり、他人の山行に 『砂袋を持って行け』 とアドバイスしたり。
こんな行動を見て見ぬ振りするB子さんと同じような山岳会では発展は望めない。
問題提起されたなら、会としてきちんと対応してもらいたい。
問題提起したものが馬鹿を見るような会ではどうしようもない。
 
 忘年会の出来事も、B子さんが ≪女性を押し倒して抱きつく行為≫ を悪い事と思えたなら…
寅さんを止める事はできなくとも 『止めて !! 』 とくらい声を掛けられたはずです。
少なくとも、その後 その場を立ち去る事くらいは できたはずです。
B子さんが目の前の出来事に、不快感さえも感じなければ別問題ですが…
 誰も寅さんの行為に拒否反応も示さずに無関心でいれば、同じ事は繰返されるかも知れません。
その時はB子さんが対象になるかも知れません。
もしそうなったとしても、目の前の出来事を他人事と眺めていた、B子さんの自業自得と言う事です。
門内沢の滑落事故 の綾子さんの立場になるのは、次はあなたかも知れません。
置いてきぼり山行 のようにリーダーに置き去りにされるのは、次はあなたかも知れません。
その時は、ヒロタンのように最後まで付き添ってくれるメンバーは居ないかも知れませんよ。
 
 いろんな山行や出来事を ≪他人事≫ として聞くのではなく、自分と置き換えて考える事が必要です。
門内沢の滑落事故 の綾子さんの立場に自分を置き換えて考えて下さい。
≪自分は雪上訓練を受けているから大丈夫≫ と考えるのでは有りませんよ。
≪自分の実力以上の所へ連れて行かれ、視界の利かない所でどんどん先に下られたら≫と言う事です。
思わず 『待って〜 おいて行かないで !! 』 と叫びたくなると思います。
不安と焦りで、実力も発揮できないままに滑落すれば 『実力不足』 となじられる。
『実力不足と言うのなら、一緒に行動して教えてよ』 と思いませんか?
実力以上の所へ連れて行かれて事故っても 『自己責任』 と言われる。
強引に誘っておきながら、後は知らん振り、なんて無責任と思いませんか?
 自分の身と置き換えて考えると、少しは考えや対応も違ってくると思います。
いろんな出来事を他人事として捉えるのではなく、自分自信の問題として捉えるのも危機管理の一つと思います。
B子さんもA子さんが自分自身だったらと思えば、対応も違って来たかも…
 
 A子さんは以前 『飲み会の時に寅さんに胸を触られたり、スカートの中に手を入れられた事が有る』 と憤慨していました。
『C子さんも、飲み会の帰りの車で腿を触られた』 とA子さんは言っていました。
そう言う事を知っていながら寅さんに近付いたA子さんの行動も甘かったと思う。
今までの寅さんの行為を見ていれば予測できた結果です。
これまでの出来事から問題を予測し、対策を立てて未然に防ぐ事が危機管理です。
 いろんな人の山行を注意深く見て行けば、今までは事故にならなかったが、危ないのも多くある。
そんな人の山行に付いて行かないのが、稜友会では自分の身を守る唯一の方法かも知れません。

 

新潟山岳会の世代交替
人の育て方
リーダーの育て方
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不信山行
自分勝手な行動
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門内沢の滑落事故
  門内沢の事故報告 橋本   門内沢の事故報告 伝  
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  五頭山での沢登り訓練   千佳ちゃんの沢登り訓練  
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  同じ山行   不適切なアドバイス  
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  巻頭言 稜友 NO 27   須藤さんの巻頭言   登山の四季
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稜友会レベルでは行けないような山行
  『燧ケ岳へ登れ』   砂袋を持って行け    
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不思議な夏合宿
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  訓練妨害        
他人事
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職場での人の育て方