内藤2度目の防衛成功!投げられても耐えてドロー
2008年3月9日(日)07:07
(サンケイスポーツ)
プロボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ(8日、両国国技館、観衆=6000)さぁ来い、興毅! 王者・内藤大助(33)が、同級1位の前王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(30)と3者3様の判定決着で引き分け、2度目の防衛に成功した。33歳6カ月の内藤は自身が持つ世界王座の日本人選手最年長防衛記録も更新した。内藤は昨年10月、「亀田3兄弟」の次男・大毅(19)を破り防衛を果たしたが、年内には長男・興毅(21)=ともに協栄=との対戦を視野に、“兄弟撃破”を計画する。
余力は残っていなかった。残さなかった。フルラウンドを闘い抜いたゴングが鳴ると、内藤は赤コーナーに戻り、イスに座り込んだ。
採点を読みあげるアナウンス。ジャッジは1人が2点差で王者、1人が1点差で挑戦者の勝ちとし、3人目が引き分けとした、3者3様のドロー決着。因縁の相手ポンサクレックとの4度目の激突を、執念で乗り越えた。沸き上がる内藤コール。王者は力なく両手をあげた。
「精いっぱいやった。ドローでも防衛できてホッとした。本音は勝ちたかったけど…。33歳のくせによくやれたと思うよ」とようやく笑顔をみせた。
8回終了後のオープンスコアリングでは内藤がリード。だが、劣勢を知った直後の9回から前王者の猛反撃が始まる。この回、クリンチを振りほどこうとしたポンサクレックに投げ飛ばされ、苦痛の表情を浮かべた。
昨年10月、「亀田3兄弟」の次男・大毅との対戦を思い起こさせる場面だ。このときは、大毅が内藤を抱え上げて投げつけるなど悪質な反則行為を繰り返した。それでも、内藤はひるまず、攻め続けた。この日も心は折れず、ショートパンチで応酬。最終回に内藤を支持したジャッジが、相手にポイントを与えていたら判定は1−2で負けていた。
「今回の試合は商売上、大事な試合です」。妻と息子を支える内藤には、期するものがあった。この試合まで興行権(対戦相手を指名できる権利)を保有する前王者を倒さないと、自由な興行ができない。勝てば、興行権のしばりがなくなり、内藤が選択した相手と防衛戦ができる。1月からはテレビ出演を封印。野木丈司トレーナー(46)とのマンツーマンの過酷なトレーニングで汗を流し、“自由”を勝ち獲った。
宮田博行会長(41)は「日本にベルトを残すため、指名挑戦(同級1位との対戦義務)がくるまで、日本人とやらせたい」と今後のプランを明らかにした。
WBCの指名期間はこの日から1年。それまでに2試合を行う予定で、V3戦を今夏に構想する。東洋太平洋フライ級王者・長縄正春(23)=岐阜ヨコゼキ=が有力で、年内に予定する4度目の防衛戦では、亀田家の長男で元WBA世界Lフライ級王者・興毅の挑戦を受ける青写真を描く。内藤は「興毅君は最近まじめになった。イメチェンしたね。向こうのプランもあるから、ボクは何もないよ」と言葉を濁したが、宮田会長は「(興毅戦を)視野に入れざるをえない」と明言した。大毅に続いて、世界2階級制覇を狙う興毅を破れば、兄弟の野望を打ち砕く“伝説の王者”になる。亀田一家は来場せず、沈黙を守ったが、その日はきっとやってくる。
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