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銃乱射 非難声明案採択されず

この事件は6日、エルサレムにあるユダヤ教の神学校で男が銃を乱射し、生徒など8人が死亡したものです。事件を受けて、アメリカは安保理に対して、事件をテロだと非難する議長声明の草案を提出して、6日夜、日本時間の7日朝9時すぎから緊急の協議が非公開で行われました。関係者によりますと、協議では非常任理事国のリビアが、先月末からのイスラエル軍による一連の軍事攻撃でパレスチナのガザ地区の一般住民が多数犠牲になったことも非難すべきだとして激しく反発したのに加えて、ほかの非常任理事国からもアメリカの草案は一方的だとする疑問の声が出されました。その結果、全会一致が必要とされる議長声明は採択されませんでした。安保理では、先週、リビアが一連の軍事攻撃でイスラエルを非難する議長声明案を提出しましたが、このときは、イスラエルを支持するアメリカが「一方だけを非難する声明はバランスを欠く」として反対し、採択できませんでした。銃撃事件について、アメリカのブッシュ大統領は、声明を発表し、「罪のない市民に対する野蛮で卑劣な攻撃だ」として、きわめて強い表現で非難しました。そして、イスラエルのオルメルト首相と電話で会談し、イスラエルを強く支援していく考えを伝えたと明らかにしました。ブッシュ大統領としては、イスラエルによる報復を事実上容認することで、イスラム過激派のテロに対して強い態度で臨む姿勢を示したものとみられます。イスラエル軍によるガザ地区への軍事作戦をきっかけにイスラエルとパレスチナの和平交渉が行き詰まる見通しとなるなか、ブッシュ大統領は、今週、ライス国務長官を現地に派遣して、双方の首脳から和平交渉を継続する意志を取りつけました。しかし、その直後に起きた今回の事件で和平交渉は難しい事態を迎えることになり、ブッシュ大統領が、みずからの任期を終える来年1月までの実現を目指しているイスラエルとパレスチナの和平合意の達成は、さらに遠のく見通しが強まっています。
もどる3月7日 12時47分
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