札幌市白石区の飲食店「三丁目食堂」で勤務した知的障害者4人が、無報酬で働かされたとして経営会社などを訴えた問題で、市は01年8月に障害者と面談した時点で、「かなりの長時間労働が考えられる」と判断し、白石区に調査を求めたが、区の担当職員が不問にしていたことが分かった。これまで市は06年10月に障害者3人と面談し初めて疑念を抱いたと説明していた。
市の説明によると、市知的障害者更生相談所が01年8月、療育手帳更新のため4人のうち30代の男性1人と面談。同相談所は「疲労の様子があるので勤務先に何らかの問題がある印象を受けた」と判定結果の文書を出した。同相談所は口頭で白石区に調査を求め、担当職員が調べたが、更生相談所に「問題なし」と回答していた。
訴えによると、4人は30代から50代までの男女で、無報酬での労働は1日10時間を超えたうえ、障害者年金を横領されたという。
調査について、区は「当時の担当職員に調査内容を聞いたところ、『記憶に残っていない』とのことだった。記録が残っていないので分からない」と説明している。同相談所では「結果論だが、疑惑の目で見た調査ではなかったのかもしれない。残念だ」と話している。【内藤陽】
2008年3月6日