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社会

給与不払い 札幌市が7年前に過酷労働察知 面談記録を放置(03/05 13:45)

 札幌市白石区の「三丁目食堂」で働いていた知的障害者四人が、「無報酬のまま働かされた」などとして同食堂の経営会社などを提訴した問題で、札幌市が障害者の過酷な労働実態の一部を二〇〇一年八月には把握していたことが五日、分かった。

 市は二月十三日の提訴後、同食堂の労働環境に疑問をもったのは「〇六年十月」だったと説明。その上で、同食堂の経営者から事情を聴いたのはその八カ月後だったとして、対応の遅れを謝罪していた。

 しかし、あらためて内部調査したところ「〇一年八月」時点での把握が判明したという。

 市によると、市知的障害者更生相談所は〇一年八月、療育手帳の更新の際に四人のうちの一人と面談。担当職員は、この障害者に疲労がみられたことなどから、長時間労働などを疑い、文書に記録した。この後、職員は白石区役所に調査を依頼したが「問題なし」と判断され、救済策などは講じられなかった。

 市は、当時の区役所の対応について「関係者の記憶があいまいで、詳細な文書が残っておらず、分からない」としている。

 訴えによると、四人は三十二−五十一歳の男女で、昨年まで十三−三十一年間、同食堂に勤務。一日十時間を超す長時間労働のもと、無報酬のまま、衣類なども満足に与えられない状態が続いたとしている。

 〇一年に迅速な対応をとっていれば被害の拡大を防げた可能性もあり、市障がい福祉課は「当時、問題の深刻さを十分に把握できず、申し訳ない」と謝罪している。

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