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MLB:王建民フィーバーに沸く台湾(下)

 渡米後はひじの手術を受け、マイナーリーグに低迷していたが、05年のシーズン途中にメジャーに昇格し、ヤンキースで8勝を挙げて実力が認められた。06年には19勝を挙げ、韓国の朴賛浩(パク・チャノ)が持っていたアジア出身選手のシーズン最多勝記録(18勝)を塗り替えた。07年にも19勝を挙げ、ヤンキースのエースの座を固めた。

 台湾では過去2年間、王建民の活躍に熱狂した。これは1990年代に日本の野茂英雄や韓国の朴賛浩がメジャーで活躍していたころを思い出させる。王建民の試合を見るため、大型スクリーンの前に人々が集まり、学校の授業が中断し、議会で居眠りをしていた議員も「未明の試合を見て寝不足だ」と漏らしたほどだ。パソコン、食料品、銀行などさまざまな業種の企業が相次いで王建民と広告契約を結んだ。台湾メディアはこれを「王建民現象」と名付けた。

 野球は日本統治時代から台湾人を団結させた存在。そんな台湾では王建民は単なるスポーツ選手を超えた存在となった。陳水扁総統の罷免を求めるデモで揺れた06年には民衆をまとめる「救援投手」としての役割を果たすなど、国際的な孤立や内部対立で困難に直面している台湾では政治・経済面で見習うべき対象として位置付けられている。身長1メートル90センチ、体重91キロという恵まれた体形から繰り出されるボールから台湾人は活力を得ているようだった。

台中(台湾)=閔鶴洙(ミン・ハクス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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