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社説

米兵不起訴 事件の幕引きはまだだ(3月5日)

 少女は米兵を許したわけでも傷が癒えたわけでもないだろう。

 沖縄で女子中学生に暴行したとして逮捕された米兵が不起訴処分となった。少女の側が「もう、そっとしておいてほしい」と告訴を取り下げたためだ。

 女性暴行や強制わいせつは、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪だ。不起訴処分はやむを得ない。

 しかし、これで事件に幕を引くことは許されない。

 米軍は日本側が釈放した米兵の身柄を拘束し、独自の捜査を続けている。少女暴行という卑劣な犯罪を自らの手できちんと裁く。それは米軍の最低限の責務だ。

 その際、少女の人権に十分配慮すること、そして捜査の結果は日本側に明らかにすること。それも忘れないでもらいたい。

 やりきれない思いがするのは、インターネット上などで飛び交った少女に対する中傷だ。

 米兵に誘われてついていった方も悪い。どこかにすきがあったのではないか−。少女にとってそんな言葉が耐えがたかったことは容易に想像できる。

 だが、責められるべきはあくまで加害者であって、被害者ではない。

 少女は米兵に辱められただけではなく、一部の人間の心ない非難や好奇の目にも傷つけられたといっていい。この事件の教訓としなければならないことだ。

 もちろん、本来の教訓は米軍と米兵が学びとるべきものである。在日米軍全部隊が先月「反省の日」をもうけたのもそのためだったはずだ。

 ところがどうだろう。

 事件のあと、全部隊に外出禁止措置がとられていた沖縄で、米兵が基地のフェンスを乗り越えて外出し、民間の事務所に侵入したとして逮捕された。

 いわば組織として謹慎中に起きた不祥事だ。米軍がいくら謝罪や反省を口にしても、これでは住民は信用も安心もできない。

 しかもこの事務所侵入事件の翌日には、外出禁止措置が緩和された。米兵やその家族の間で不満がくすぶっていたことも緩和の背景にあるようだが、住民に目を向け、住民の思いをくみとった対応といえるだろうか。

 沖縄では、米軍基地の日本人警備隊員が拳銃を所持したまま基地の外に出ていたことも明らかになった。日米地位協定を逸脱し、日本の銃刀法に違反する疑いが強いのに、米軍側が隊員に銃所持を指示していたという。

 日本の法律を軽視する米軍の態度は、続発する米兵の不祥事と無関係ではあるまい。日本側の捜査権が著しく制約された地位協定によって、事件の被害者が泣き寝入りさせられた例も少なくない。

 協定見直しはもう待ったなしだ。

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