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滝川市長、元組員と面識 介護タクシー不正受給事件

2008年03月05日15時06分

 元暴力団組員の片倉勝彦被告(42)と妻(37)らが北海道滝川市から2億円超の介護タクシー代金を不正に受給していた事件で、同市の田村弘市長が01年の助役当時、市営住宅をめぐるトラブルで片倉被告と直接面談していたことが5日、明らかになった。田村市長は、片倉被告が起訴された2月29日の記者会見では「一度も会ったことがない」と明言していたが、この日「事実ではなかった。訂正したい」と撤回した。

 片倉被告が頻繁に不当要求することは市役所内でも知られており、市民から「直接談判した経験から、今回の不正受給の対応も及び腰になったのではないか」と疑問の声が出ている。

 市によると、片倉被告は01年当時、滝川市の市営住宅を借りており、「駐車場にとめていた車がへこんだ」「市のせいだ」と訴えてきた。強弁して窓口で対応し切れなかったため、当時助役だった田村市長が直接応対し、「注意喚起します」と説得して話を収めたという。田村市長は「被告の名前も顔も記憶になかったが、職員から『助役時代に会った記録がある』と言われてやり取りを思い出した」と釈明した。

 タクシー代金受給事件をめぐっては、田村市長が06年9月の段階で市監査委員から直接「おかしい」と注意喚起されたにもかかわらず、放置したことがわかっている。市監査委員はさらに、07年5月に「考えられない額だ」「金が夫婦側に還流しているのではないか」とする検証報告書をまとめたが、市はその後も、同年11月の逮捕まで請求通りに支給し続けた。

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