ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

海外

産経の『トウ小平秘録』を中国が禁輸図書に

3月4日20時52分配信 産経新聞


産経の『トウ小平秘録』を中国が禁輸図書に

中国の税関当局から輸入禁止図書に指定された「トウ小平秘録」(産経新聞出版発行、扶桑社発売)

 【北京=矢板明夫】産経新聞の大型連載企画「トウ小平秘録」(産経新聞出版発行、扶桑社発売)をまとめた同名の単行本が、中国の税関当局に「輸入禁止図書」に指定され、産経新聞社が取材協力者らへの寄贈用に郵送した50冊が4日、日本に返送された。「中国共産党を攻撃し、中華人民共和国政府を誹謗(ひぼう)した」との理由だが、当局は、天安門事件に関する記述を問題点に挙げており、同事件については国外の図書も厳しく規制する姿勢を示した形だ。

 「トウ小平秘録」は、産経新聞がトウ氏の死去10年の昨年2月から約1年間にわたり連載、トウ氏が文化大革命での2度の失脚を克服、改革・開放路線を打ち出し、現代中国を経済大国に導いた激動の人生を中心に描いた。

 記事は6部構成で、連載継続中の今年2月初め、前半の3部をまとめた単行本を上巻として産経新聞社が発刊した。寄贈用の50冊は同月2日、北京に到着したが、北京税関は「内容を審査する必要がある」として、産経中国総局への引き渡しを拒否した。

 その後、税関側とのやりとりを重ね、産経側は「客観的に歴史的事実を再現したものであり、何が問題なのか明らかにし文書回答してほしい」と要求。税関職員は口頭で「天安門事件の記述」を問題点に挙げたが、文書による回答には応じなかった。税関側は4月に刊行予定の下巻についても禁輸にするとしている。禁輸の根拠は昨年7月に発令した「税関総署令」第161号に基づいているという。

 「トウ小平秘録」は、伊藤正中国総局長が中心になり、中国内外の刊行物や関係者の取材に基づき、客観的に事実を再現したが、天安門事件に関する著述は中国国内ではタブーになっており、税関当局はテーマそのものを問題にしたようだ。

 中国外交当局も、新聞連載開始前から、強い関心を寄せ、非公式な意見交換として、天安門事件についての報道内容に懸念を表明していた。しかし、連載開始後は外交当局からの干渉はなく、非公式に「客観的」との評価が寄せられている。

 今年1月、上海税関が上海日本人学校の社会科教材が尖閣諸島を日本領にしているとして輸入を差し止め、いまだに引き渡しを拒否している。中国の主権侵犯との一方的な理由だが、本書のような外国語の一般図書を禁輸にするのは珍しい。



 産経新聞の伊藤正中国総局長の話 「『トウ小平秘録』は、中国の現代史をトウ小平氏の苦難に満ちた歩みを通じ描いたものだが、毛沢東同様、トウ氏も過ちはあり、天安門事件もその一つだった。トウ氏自身も『功績7、過ち3』という毛沢東同様の評価で十分と述べている。客観的に事実を追い、評価をすることが『共産党を攻撃、中国政府を誹謗』になるのか。今回の税関当局の措置は、一切の批判を許さない毛沢東時代を想起させる。事実を直視し時代を前進させたトウ小平氏の精神が失われつつあるようだ」

【関連記事】
【トウ小平秘録】(153完)第6部「先富論」の遺産 中国的成功物語
【トウ小平秘録】番外編 中国反体制評論家・劉暁波氏
中国の軍事費、実際は公表額の3倍?米国防総省が発表
「食品安全法」の成立に意欲 中国全人代
中国がサイバー攻撃発信源 宇宙開発にも警戒感

最終更新:3月4日21時20分

  • ソーシャルブックマークへ投稿 0
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • みんトピに投稿
  • はてなブックマークに追加
  • newsingに投稿
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿
  • Choixにブックマーク
  • イザ!ブックマーク
ソーシャルブックマークとは

関連トピックス

主なニュースサイトで 天安門事件 の記事を読む
みんなの感想 この話題についてみんながどう感じたかわかります。

みんなの感想(話題ランキング)

日付を選択:



提供RSS
スポンサーサイト検索
海外 中国
韓国 中国 旅行
中国 留学 海外 航空券
韓国 旅行 留学
英会話 海外 旅行