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出生率低下で年老いていく81都市

 「新生児の数は1日平均1人の割合だが、死者の数は約2人です」(全羅(チョンラ)南道・宝城(ポソン)郡庁・カン・ドクウォン行政係長/43)。

 全羅南道・宝城郡の昨年の新生児数は349人だが、死者の数はその2倍を超える676人。既に10年余前から死者の数が新生児数より多くなっているが、その格差は毎年大きく広がり、ついに2倍近くの差が出るようになった。

 60歳以上が郡全体の人口の32%を占め、10歳以下は9%に過ぎない。新生児が減ったことにより、この地域にひとつだけ残っていたB病院の産婦人科も今年8月に廃科された。

 しかし葬儀場は1か所増えて計3カ所になり、敬老堂(高齢者が余暇を過ごす施設)は98年(83か所)に比べ、2倍(174か所)に増えた。

 本紙が23日、統計庁の「2003年人口動態」資料を分析した結果、全国234の市、郡、区のうち、この1年間で「新生児よりも死者数が多かった地域」が81か所(35%)におよんでいることが分かった。77の市のうちの13市(17%)、88の郡のうちの66郡(77%)におよぶ。

 広域市の区庁の中では、釜山(プサン)・江西(カンソ)区と大邱(テグ)・中(チュン)区の2か所だった。これらの地域は「100日パーティー(生後100日を祝う日)」の招待状よりも「葬式」の訃報を受け取る件数が多い社会になっているのだ。

 このような現象は慶尚(キョンサン)、全羅(チョンラ)地域で顕著に表れている。慶尚北道は10の都市のうちの6都市、13の郡のうちの12郡(漆谷(チルゴク)を除く)など23の市と郡のうちの18か所がこれに当該する。

 慶尚南道の場合は市の地域では1か所(密陽(ミリャン))だけだったが、昌寧(チャンニョン)、南海(ナメ)郡など10の郡全体が、1990年以降から死者数が新生児を上回っている。特に義城(ウイソン)は死者(963人)の数が新生児(306人)の3倍を超えた。

 全羅北道は完州(ワンジュ)を除いた残り7つの郡ですべて死者の数の方が多かった。反面、京畿(キョンギ)、江原(カンウォン)、忠清(チュンチョン)北道はまだ深刻な老齢化状態には達していないと分析された。

 韓国全体の人口は2023年から減少すると見通されているが、郡地域の大部分は既に人口減少の道をたどり始めている。

 保健社会研究院のキム・スングォン室長は「1980年代初め、産業化の余波で若者たちが都市へと流れた後遺症」とし、「これに、出生率の低下などで新生児数が急減し、このような現象が普遍化した」と診断した。

 慶尚南道・河東(ハドン)の場合、小中高生全体の数は6317人。97年(9437人)に比べ6年間で3分の1に減っている。これは現在60代以上の人口(1万5649人)の半分に過ぎない。高齢化は経済全般にも悪影響を及ぼし、事業体数(1人以上の自営業者含む)が99年4190個から昨年は3735個に急減した。

 建設会社も130社から99社、金融業および保険業は67社から47社とそれぞれ減少した。

 ソウル大学・行政大学院の金俊基(キム・ジュンギ)教授は「このような高齢化、出生率の低下の結果、農村地域はさらに疲弊している」とし、「農村の教育、文化施設をさらに拡充し、若者たちの帰れる基盤を構築することが急務」と語った。

金東燮(キム・ドンソプ)記者 dskim@chosun.com

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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