1日当りの生活費、東京がソウルより1700円安い!?
【特集】どっちが高い? 韓日生活物価徹底比較(1)
子供を産めば入院費30万円を肩代わりしてくれる国が日本だ。育児費も一部肩代わりしてくれ、その上紙オムツまで安いとくれば、果たして読者はどう思うだろうか。
今年2月に出産したチョン・ヘジョン記者は、ソウルで紙オムツ「ニュー・ハギス・ゴールド5~8キロ用」60個入りを1万8300ウォン(2196円)で購入した。一方、日本では、ほぼ同じ大きさと容量の「エリエール4~8キロ乳児用」62個入りの価格が、9834ウォン(1180円)とソウルで買ったものに比べほぼ半分の価格だ。
韓国が特に高価なパルプを輸入して作っているわけではない。また、赤ん坊のオムツにばく大な税金を課しているはずもない。それなのに、どうして韓国の母親は赤ん坊のオムツまで、先進国の母親より高価な物を買わなければならないのだろうか。
そこで、本紙ではこのような韓日の物価逆転現象を検証するため、日常生活で感じる1日当りの生活物価の比較実験を行なった。実験の方法は、東京とソウルで記者2名が可能な限り同じ生活をし、かかった費用を比較するというものだ。
まず、東京で暮らす鮮于鉦(ソンウ・ジョン)記者(東京特派員)は、事務室まで地下鉄に乗って出勤した。距離は6駅分で、運賃は基本料金の1333ウォン(160円)。ソウルで同じ距離を地下鉄で移動した場合は900ウォン(108円)で、交通費は東京の方がはるかに高い。
しかし、駅を出て、王宮(皇居)のそばに位置する竹橋のスターバックスに入った瞬間から、日本側に傾いていた生活費の針は、徐々にソウルの方角へと戻り始める。
東京のスターバックスの料金はカプチーノ・トールサイズ2834ウォン(340円)に、スモークサーモンサラダサンドイッチ3167ウォン(380円)。一方、ソウルのチョン・ヘジョン記者(経済部)が鍾路区のスターバックスで飲んだカプチーノ・トールサイズは3800ウォン(456円)、ツナモーニングクロワッサンサンドイッチは3500ウォン(420円)だった。同一の世界的チェーン店で、ほぼ同じメニューを注文したにもかかわらず、価格の差は歴然としていた。
東京のスターバックスで朝食をとった鮮于記者が節約したお金は1299ウォン(156円)。地下鉄代で損した433ウォン(52円)の3倍を一気にもうけたわけだ。朝食1食で韓日サラリーマンの生活費ゲームは逆転した。
ところで、読者の中には、わざと韓国の方が割高な世界的チェーン店を選んだのではないかと疑う見方もあるだろう。そこで、昼食にソウルではソルロンタン、東京ではラーメンを選んだ。多くの材料を使用し、長時間スープを煮込む手間がかかるという共通点があり、それぞれ両国を代表する大衆料理といえるものだ。
チョン記者が三成洞の「イナムジャン」で食べたソルロンタンは7000ウォン(840円)。鮮于記者が日本橋の「ますたにラーメン」で食べたラーメンは5834ウォン(700円)だった。双方、ごはんも付いているのに、日本が韓国よりも安かった。
では、もしマクドナルドのビックマックセットを食べたならば、どうだっただろうか。東京は4834ウォン(580円)、ソウルは4400ウォン(528円)で、日本の方が若干高い。ただし、メニューが少々異なっており、東京ではポテトフライの代わりにサラダ、コーラの代わりに緑茶を選ぶことが出来る。
公園で走るのは韓国も日本も無料だが、日本は「公園王国」だ。韓国は日本に比べ、公園がはるかに少ない。それならば、せめてフィットネス・クラブのランニングマシンの利用料金が安ければ我慢も出来るが、実情はまったく違っていた。
東京の鮮于記者は退勤後、中央区の「ルネッサンス」というフィットネス・クラブで汗を流した。運動器具が揃った室内トレーニング・ルームとプール、エアロビクス無料レッスン場、露天風呂付きのサウナを自由に利用できる。正会員1カ月の使用料(1年契約時)は9万6258ウォン(1万1550円)で、1日当り3209ウォン(385円)になる。
一方、ソウル光化門のファイナンス・センター地下にあるフィットネス・クラブは、日本と異なり、運動服とタオルを無料で貸してくれる。しかし、室内トレーニング・ルームとサウナしかなく(ゴルフ練習場は別料金)、それでいて1カ月の使用料は20万ウォン(2万3998円)にもなる。1日当りでは6667ウォン(800円)と、日本より倍以上高い。
さて運動を終え、友人とともに食事を兼ねて軽くビールを1杯飲みに行った。これもやはり、最も大衆的なソウルのサムギョプサル(豚の三枚肉の焼肉)屋と東京の居酒屋を調査対象に選んだ。
チョン記者は、サムギョプサル屋の「トゥンナムジプ」でビール2本とサムギョプサル2人前、キムチカルグクス(太い麺の韓国式うどん)を注文した。一方、鮮于記者は「だんまや水産」で生ビール(中)2杯と特選寿司盛り、特選刺盛り、天ぷら盛り合せ、いかのぽっぽ焼き、カレイ唐揚を注文した。その結果、ソウル3万8000ウォン(4560円)に対し、東京は3万569ウォン(3668円)だった。これで飲み代さえも逆転したのだ。
帰宅後、汗だくになったワイシャツとスーツ上下をクリーニング店に預けた。東京中央区佃島にあるマンション団地のクリーニング店の料金は合計8309ウォン(997円)。似たような立地条件のアパート団地であるソウル江南区論峴洞のクリーニング店の料金は1万ウォン(1200円)だった。
これまでの1日当りの生活費を計算すると、ソウル7万5267ウォン(9031円)に対し、東京は6万1181ウォン(7341円)と、東京の圧勝であった。東京のサラリーマンの生活費が、ソウルより1日当り1万4086ウォン(1690円)も安かったのだ。
すべての品目を合わせた全般的な物価指数は、依然として韓国より日本の方が高い。しかし、中流層が日常生活で接する生活物価は、すでに韓国が日本を逆転していた。半信半疑で調査を始めた取材チームも、あまりにも歴然たる結果に驚かざるを得なかった。
■調査方法について
2つの国の物価を比較するのは容易ではない。同じ商品であってもコンビニエンスストアよりディスカウントストアの方が安く、都心に近ければ近いほど価格が上昇するからだ。
そこで、今回の調査ではなるべく誤差を減らすため、韓日両国民が好む商品とサービスを最大限圧縮し、似たような立地条件の流通業者を選定して調査を行なった。
一例を挙げると、農産物の価格は両国で最大手のディスカウントストアであるEマートとジャスコの価格を調査した。また、日本の物価のウォン換算は、今月3日の基準レート(100円=833.4ウォン)で計算を行なった。
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