2008.03.01 Web posted at:  11:45  JST Updated - AP
ビジネス

アラスカ先住民が企業24社を提訴 温暖化で海岸浸食と

米アラスカ州アンカレッジ(AP) 地球温暖化が原因で海岸の浸食が進み、集落の存続が脅かされているとして、米アラスカ州の小さな島の先住民らがこのほど、石油、電力などの大手企業24社を、サンフランシスコの連邦裁判所に訴えた。

訴訟を起こしているのは、北極海の西の一角、チュクチ海に面したキバリナ市に住むイヌピアット・エスキモーたち。海とキバリナ川にはさまれた約13キロの細長い島で、約390人がサケやアザラシを捕って生活している。

集落はこれまで、海氷によって冬の嵐から守られてきた。しかし近年、気温の上昇で海氷のできる期間が短くなり、直接打ち寄せる高波で海岸の浸食が急速に進んでいる。市当局者によれば、例年10月ごろから凍り始める海が、昨年は12月になっても凍らなかったという。住民らは島からの移住を検討しているが、そのためには少なくとも4億ドルの費用がかかるとみられる。

気温上昇は企業による温室効果ガス排出が原因で、これは不法な迷惑行為に当たるというのが、住民側の言い分だ。訴えられたのは、エクソンモービルなど石油9社と、電力14社、石炭1社。住民らはこれらの企業が、温暖化の原因や結果について、故意に誤った情報を流しているとも主張している。温暖化をめぐる損害賠償訴訟はこれまでも各地で起きているが、被害を受けるグループがこれほどはっきり特定されるケースは初めてとされる。

エクソンモービルは「訴状を詳しく検討中」と述べる一方、「わが社は温室効果ガスの削減、温暖化対策技術の研究支援、非政府組織(NGO)や政府、業界との対話に、積極的に取り組んでいる」と強調している。

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