イスラエル軍は、１日、ガザ地区の北部に戦車などで侵攻し、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門と衝突したほか、ガザ地区の各地を空爆しました。一連の戦闘で、子ども９人を含むパレスチナ人５０人と、イスラエル兵２人が死亡しました。イスラエル軍は、先週、ガザ地区からのロケット弾でイスラエル人の大学生１人が死亡したのをきっかけに軍事作戦を強化しており、パレスチナ人の死者はこの４日間で８０人以上に上っています。このうち、およそ３分の１は子どもや女性などの市民で、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長はイスラエル軍の攻撃を「虐殺だ」と強く非難するとともに、ハマスに対しても「イスラエルに攻撃の口実を与えるだけだ」として、ロケット弾の発射を止めるよう呼びかけました。イスラエルとパレスチナには、今週、中東和平交渉を後押しするためにアメリカのライス国務長官が訪れる予定ですが、イスラエル側は、最近、ガザ地区から発射されるロケット弾の数や飛距離が伸びていることから、より大規模な軍事侵攻も辞さないとしており、和平に向けた機運は急速にしぼみ始めています。