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公園に全盲の男性置き去り 容疑の病院職員4人書類送検

2008年02月27日13時41分

 堺市北区の新金岡豊川総合病院(豊川元邦院長)の職員が昨年9月、入院患者の男性(63)を大阪市西成区の公園に置き去りにした問題で、大阪府警西成署は27日、職員4人を保護責任者遺棄容疑で大阪地検に書類送検した。男性は糖尿病の症状が改善し、既に入院の必要がなくなっていたが、全盲で退院後の行き場がなかった点を同署は重視、4人が男性の保護責任を放棄したと判断した。

 書類送検されたのは渉外担当の男性職員(47)と、同行した医事課の男性職員3人。同署によると、置き去りにされた男性はその後、複数の病院をへて、現在も府内の病院に入院中という。

 調べでは、4人は昨年9月21日午後1時ごろ、同病院に入院していた男性を車に乗せ、大阪市西成区の公園で降ろして置き去りにした疑い。

 4人は男性を同市内の前妻宅へ連れて行ったが、引き取りを拒まれたため、渉外担当職員が置き去りを提案。3人も従ったという。4人は匿名で119番通報し、男性が救急車で搬送されるのを確認して立ち去った。

 渉外担当職員は「連れて帰ることはできないと思いながら車を走らせていて偶然公園を見つけ、置き去りを思いついた」などと供述しているという。

 男性が救急車で搬送されるまでを見届けていたことなどから、同署は4人の行為が遺棄に当たるかどうかを慎重に捜査。男性が全盲の身体障害者である点を重くみた。

 同病院によると、男性は00年10月、糖尿病の治療のため入院し、病気の影響で両目を失明した。その後病状が安定したため、病院側は退院するよう説得したが、男性は拒み、職員や患者とトラブルを起こすこともあったという。男性は生活保護など公費で入院していたが、自己負担の食費などを滞納し、未払い金は180万円を超えていた。

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