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基地外に拳銃携行

2008年02月29日

沖縄県の米海兵隊基地の警備をしている日本人従業員が今月中旬、米軍側の指示で、実弾が入った拳銃を携行したまま基地の外を移動していたことが分かった。日米地位協定は、日本人従業員が米軍施設内で銃を携行することを認めているが、施設外での携行は銃刀法違反にあたる疑いがある。沖縄防衛局は海兵隊からの事前通知を受けて中止を求めていたが、そのまま実施されたという。

 日本人従業員らでつくる全駐留軍労働組合(全駐労)沖縄地区本部によると、2月11日朝から12日午前にかけて、キャンプ・コートニー(うるま市)とキャンプ瑞慶覧(北谷町など)で警備を担当している日本人従業員ら延べ59人が、米軍憲兵隊の司令官の指示で、実弾の入った拳銃を携行したまま、車で基地間を移動するなどした。両基地の「飛び地」への移動のほか、キャンプ・コートニーからキャンプ・マクトリアス(うるま市)の約2キロを移動した従業員もいたという。

 米軍の司令官から「命令に従わなければ懲戒処分にすることもある」と、拳銃携行を強制されたと証言している従業員もいるという。

 米軍人は基地内外での、日本人従業員は基地内での銃の携行が日米地位協定などで認められている。だが、今回のようなケースについては明確な規定がなく、銃刀法に抵触する恐れもある。これまでは、日本人警備員が基地の外に出る際には、米軍人の憲兵がいったん拳銃を預かり、移動後に基地内で再度、渡していた。

 沖縄防衛局によると、米海兵隊日米支援管理事務所から8日に文書で「日本人従業員に基地外で銃を携行させる」と通知があったため、同日中に同事務所に口頭で中止を申し入れた。しかし、12日になって同事務所から「担当窓口の海兵隊外交政策部に要請してほしい」と連絡があり、同局からの正式な中止要請は13日にずれ込んだ。

 外務省は「ただちに協定に抵触するとは言えないが、米軍側はこれまで『日本人従業員に基地外で携行させることはない』と説明してきたので法的な整理が必要」と説明。沖縄県警は「米軍施設外での武器の携行、使用は認められない」としている。

 全駐労沖縄地区本部の座間味寛書記長は「国内法に違反する行為を米軍が基地従業員に強制したのは問題だ。武器携行は、従業員を危険にさらす恐れもあり、施設内も含めて廃止を求めていく」としている。

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