アフガン支援 日本、軍民一体活動に資金 学校建設など2008年02月10日03時00分 日本政府が、アフガニスタン復興にあたる軍民一体型の「地域復興支援チーム」(PRT)が進める学校建設などの資金を途上国援助(ODA)で肩代わりしていることが、明らかになった。9日夕(日本時間10日未明)、ドイツのミュンヘンに入った高村外相は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の閣僚らに、日本の貢献策としてアピールする考えだが、PRTと関係なく現地で活動する日本の援助団体などが反政府勢力から狙われる危険性も指摘されている。
政府関係者によると、現在、政府はカブールのNATO文民代表部に連絡要員を配置し、資金協力を進めるため、PRTに参加する各国軍との連絡調整に当たっている。 肩代わりしたのは、アフガン中部の山岳地帯で復興開発が遅れるゴール州を拠点にするリトアニア軍のほか、エストニア軍や米軍が管轄するPRTが進めている民生支援案件。支援対象は、教育、職業訓練、医療の3分野に限定。これまでの拠出は、現地のNGOが実施した女子の識字教育や職業訓練を進めるための小中学校建設など13件、計約1億3000万円。 各軍側が案件を探し出し、アフガンなどの非政府組織(NGO)を通じて依頼。日本政府が資金を拠出した。軍はODAの案件を探すだけでなく、事業の進行をチェックする役割も担っているという。昨年6月、日本、アフガンの両政府間で書簡を交換した。 ODAのうち、民生に直結する小規模プロジェクトを対象とした「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を活用した。ODAは非軍事支援に限られているが、政府関係者はPRTへの協力でも民生面の支援なら可能だとしたうえで、「現地やNATOからも非常に感謝されている」と話す。 資金面だけでの協力とはいえ、日本がPRTへの関与を強めることについては、日本のNGO関係者の間から、軍の保護を受けずに現地で活動している日本のNGOまで軍と一体化した存在と間違われ、反政府武装勢力の攻撃対象になりかねないとの懸念も出ている。 ◇ 〈地域復興支援チーム(PRT)〉 紛争が終結していない段階で軍が一定地域の治安を確保したうえで、軍の保護下の文民が復興や民生支援に当たる軍民一体型の新たな復興モデル。アフガンでは02年12月から米軍主体で始めた。現在、北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)が全土の計25カ所で展開している。 安倍前首相は昨年1月、ブリュッセルのNATO理事会で自衛隊のPRT参加に意欲を示したが、同4月に見送りを表明。代わりにNATO・PRTとの連携に資金協力する意向を示した。 PR情報国際
|
ここから広告です 広告終わり どらく
ハイビジョン動画
一覧企画特集
特集
アサヒ・コム プレミアム朝日新聞社から |