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【社会】

地裁所長襲撃で「無罪」4人目 大阪家裁、自供の信用性認めず

2008年2月28日 17時46分

 大阪家裁で保護処分の取り消し決定が出され、記者会見に臨む元少年=28日午後、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

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 2004年に大阪地裁所長が路上で襲われた事件で、強盗致傷などの非行事実で中等少年院に送致された当時16歳の元少年(20)について、大阪家裁(大西良孝裁判長)は28日、刑事事件の「再審無罪」に相当する保護処分の取り消しを決定した。

 5人が逮捕・補導されたこの事件では、成人2人に1審で無罪判決が言い渡されたほか、元少年の弟(18)は差し戻し少年審判で不処分決定を受けた。今回の決定で、うち4人に「無罪」の判断が示されたことになる。

 決定理由で大西裁判長は、新証拠として出された現場付近の防犯ビデオの鑑定結果を検討。共犯者とされる1人と映像の人物の身長が異なることから、犯行は疑わしいとした。さらに携帯電話メールの送信記録から、別の1人にもアリバイが成立するとも指摘。

 その上で、犯行を認めた元少年らの供述について「年少者にとって不適切な誘導や暗示などによる取り調べがあったと疑われる」と信用性を否定、犯行の証明はないと結論づけた。

(共同)
 

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