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福島母殺害:少年を医療少年院送致…保護処分 家裁支部

 福島県会津若松市で07年5月、県立高校3年の少年(18)=自主退学=が母親(当時47歳)を殺害し頭部などを切断した事件で、福島家裁会津若松支部(増永謙一郎裁判長)は26日、殺人と死体損壊の非行事実で家裁送致された少年を医療少年院送致とする保護処分を決めた。2回の精神鑑定のうち、「刑事責任能力はない」とした家裁段階の結果を重視したとみられる。

 保護処分に不服がある場合、少年や父親、付添人の弁護士は、仙台高裁に抗告できる。今回のように検察官が関与した場合、検察側も抗告可能だが、理由は法令違反や事実誤認の場合に限られる。

 福島地検会津若松支部による1回目の鑑定では、「軽度の障害はあるが、責任能力に影響を与えない」とされた。地検支部は07年10月、「刑事処分相当」の意見を付けて家裁送致した。

 家裁送致後の2回目の鑑定では、生活環境の問題や発達障害など複合的な要因が指摘され、「明らかな精神疾患があり、刑事責任能力はないとみられる」との判断が示された。家裁支部は鑑定結果や供述内容、生育歴などを考慮し、刑事罰ではなく矯正教育が必要と判断した模様だ。

 少年は逮捕直後、殺害自体を目的とする趣旨の供述をしていたが、弟や母親に対する疎ましさも口にするようになった。ただ、明確な動機は不明で、少年の精神状態の解明が必要とされ、2回の精神鑑定が実施された。

 決定などによると、少年は07年5月15日午前1時半ごろ、会津若松市のアパートで、就寝中の母親を包丁で刺殺、遺体の首と右腕をノコギリで切断し、頭部を持って県警会津若松署に自首した。【松本惇】

毎日新聞 2008年2月26日 11時01分 (最終更新時間 2月26日 13時44分)

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