大阪府岬町の民家で生後5カ月の大道景介ちゃんが父親の病院事務員、正也容疑者(30)=殺人容疑で逮捕=に虐待され、死亡した事件で、景介ちゃんが先月末、頭の骨を折った際、虐待の専門医が「病気ではなく虐待。保護すべき」と府岸和田子ども家庭センター(岸和田市)に警告していたことが27日、わかった。
センターは骨折以外の外傷がないことや成育が順調だったことから保護を見送ったが、景介ちゃんは同じような虐待を受けて再び頭の骨を折り、16日に亡くなった。
センターによると、昨年12月、景介ちゃんが右足を骨折し病院を受診。病院から虐待通告を受けたセンターは3日後に両親と面接したが、両親は「なぜか分からない」と説明したという。
しかし、退院後の今年1月末、今度は頭の骨を折って入院。センターは両親から事情を聴いたが、虐待を否定されたため、虐待の専門医、河野朗久医師に鑑定を依頼した。
河野医師は、後頭部の粉砕骨折と両側頭部の皮下出血を確認。「固い所に後頭部を押しつけられたけがで、病気ではない」と断定し、保護するよう警告したという。河野医師は「病院だけでなく、専門医の自分も危険信号を発していたのに」と語った。
27日に記者会見したセンターの山内稔所長は「子どもへのケアも行き届いており両親も指導に従うという姿勢だった。センターがかかわっていながら結果的に幼い命を守れなかったことは痛恨の極み」と話した。
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