発信箱

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

発信箱:欧州の米兵事件=町田幸彦

 沖縄での米兵による女子中学生暴行事件に関連して、欧州で「米兵の凶悪事件を聞いたことがない」と話す知人の話を18日付本欄に書いた。その後、欧州でも米兵の強姦(ごうかん)事件があったという読者の指摘をいただいた。確かに過去に事件はいくつかある。伝聞に終わらせず十分確認すべきだった。以下、実例を挙げる。

 英ヨーク地裁は06年7月、米空軍・軍曹(34)に対し、地元施設の14歳、15歳、17歳の女性3人を強姦した罪で禁固12年を言い渡した。また、英国の米軍基地内で02~05年に連続強姦事件を犯した軍曹が米軍法会議にかけられた。

 ドイツで84年8月にドイツ人女性(当時19歳)を暴行殺害した容疑で、元米兵(46)が昨年3月、米メリーランド州で逮捕された。同国内では91年、17歳のポーランド系移民女性を暴行殺害した容疑で米兵が逮捕された。イタリアでは04年に起きた13歳の少女強姦事件で、米兵(19)が共犯として逮捕された。

 「各国で米軍人の起こした事件数・内容の正確なデータ」を知りたいというメールも受け取った。英内務省と在英米大使館に問い合わせたが、駐留米軍兵士の犯罪の項目で統計はないという。

 米軍基地(兵員6000人)を抱える英東部サフォーク州地元紙のグダハム記者は「米兵犯罪は当地で日本と違い、まれだ。米軍人の評判は概して良い」と語る。

 沖縄県では昨年の米軍構成員の刑法犯検挙数が46人に上る。これと比較できる資料も必要だが、日欧で米兵の行動に差異があるのか。この疑問にはさらに具体的に再論できるようにしたい。(欧州総局)

毎日新聞 2008年2月25日 東京朝刊

発信箱 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報