2月20日、話題の新人歌手がデビューした。彼の名前は「ジェロ」。アメリカはペンシルバニア州出身の26歳だ。
彼の風貌は写真の通り。しかし、デビュー曲は「海雪」。そう、彼は演歌歌手なのだ!
ジェロは日本人の祖母の影響で幼少の頃より演歌を聴き始める。祖母を喜ばすために演歌を歌い始め、やがて自分自身も演歌の虜になっていく。
大学を卒業後、演歌歌手を目指して2003年に来日。コンピュータエンジニアとして働きながら、のど自慢大会やカラオケ大会で活躍しているところをスカウトされ、ビクターエンタテインメントから晴れてデビューする運びとなった。
「黒人が演歌を歌う」ということで、何かと色眼鏡で見られがちだが、一度彼の歌を聴いたらそんな偏見は吹っ飛んでしまう。HIPHOP風の出で立ちとは180度違う、正真正銘の日本の演歌なのだ。
はっきりいって、「ジェロが歌っている」という前情報がなくいきなり「海雪」を聞いたら、日本人が歌っていると誰もが思うだろう。そんな彼を、メディアは「日本人以上に日本の心を持った演歌歌手」と称することすらある。
デビュー曲は作詞・秋元康、作曲・宇崎竜童という豪華布陣。宇崎竜童らしく、演歌といえども現代的なエッセンスを注入。特にアレンジには凝っており、イントロなどは演歌にHIPHOPの要素を融合。またPVでも、ジェロがHIPHOPダンスを踊る映像を挿入するなど、ジェロの個性をより際立たせている。
近年、演歌といえば氷川きよしの人気が突出しているが、このデビュー曲を聴けば、ジェロの可能性の大きさが十分に感じられ、氷川きよしに匹敵する大物へと成長する期待がつのる。あとは、どれだけ周りのスタッフが、ジェロを本格派演歌歌手として演出していけるのか、その手腕にかかっているだろう。
間違っても、バラエティ番組でぞんざいに扱われる外国人タレントにしてはいけない。それはジェロも、そしてジェロのファンも決して望んではいないのだから。
(三浦一紀)
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