三菱重工業は2008年度に、国産ロケット「H2A」を使った商業衛星の打ち上げを始めることを明らかにした。米国と韓国の通信関連企業と最終交渉に入っており、3月にも打ち上げ業務を受注する見通し。H2Aは23日に14号機の打ち上げに成功したが、従来はすべて観測目的など政府系衛星用。昨春に国からH2A事業を引き継いだ同社はコスト削減などをテコに、海外のロケット大手が独占してきた民間利用目的の衛星用の市場に参入する。
三菱重工の佃和夫社長が日本経済新聞記者に対し、14号機の成功を受け「H2Aロケットの技術の信頼性が強まり、世界市場で競争できる製品力が高まった」と述べた。同時に、来月中に商業衛星用を受注し、09年2月までに打ち上げる見通しを明らかにした。交渉相手の企業名は明らかにしていないが、H2Aを使って通信衛星を打ち上げ、映像など各種データ通信に利用するもよう。
(07:00)