市によると、ユーコープの検査で、1袋の食品中からアスパラガスの基準値(0.3ppm)の4倍の1.2ppmのホレートが検出された。ホレートはメタミドホスと同程度の強い毒性で、検出量で換算すると、体重50キロの人が5個食べると、嘔吐(おうと)やめまいなどの症状が出ることがあるという。海外で使われることがあるが、日本国内では農薬や殺虫剤に使われていない。
商品は神奈川、静岡、山梨の3県で753袋がユーコープの会員に宅配された。21日午前2時半現在で677袋が自主回収された。商品の賞味期限は11月21日だが製造年月日は不明という。
商品は「中国清清仁木食品有限公司」の工場で製造され、19日に冷凍食品「青島ニラ肉焼まん」からメタミドホスが検出されたことが分かった「ニッキートレーディング」(大阪市)が輸入している。
また、ユーコープは同じ工場で製造された「れんこんのはさみ揚げ(ポーク)」「ニッキーフーズ プチ肉まん」も自主回収している。
ユーコープによると、袋に穴などは確認されていないという。【池田知広】
▽ホレート メタミドホスと同じ有機リン系の殺虫剤。日本では農薬として登録されたことはない。食品の残留基準値は0.05ppm〜1ppm。毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。飲み込んだり皮膚に付くと、けいれんや息ぐるしさ、瞳孔が縮むなどの症状が表れ、生命に危険がある。常温では無色もしく黄色い液体で、動物実験によるとメタミドホスよりも毒性が強いという。
[毎日新聞2月21日]