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「梁山泊」株価操作:代表逮捕 買収16社、ずさん査定 「錬金術」業種バラバラ

 パチンコ情報会社「梁山泊(りょうざんぱく)」(大阪市)グループ代表の豊臣春国容疑者(57)や東証マザーズ上場のIT関連企業「アイシーエフ」(現・オーベン、東京都)の元社長、佐藤克容疑者(32)ら4人が13日、大阪府警に逮捕された。アイ社が次々と繰り返した株式交換による企業買収で、巨額の利益を得た梁山泊グループ。新興証券市場を舞台にした錬金術の実態解明が始まった。【稲垣淳】

 広告代理店、段ボール販売、駐車場運営、航空券販売……。アイ社が04年4月~06年1月、広告代理店「大阪第一企画」(大阪市)を含む16社を買収した。事業分野に関連性はなかった。テレビ番組制作会社と服飾品輸出入会社を同じ日に買収したこともあった。

 06年1月に買収した「エフマップ」は、飲食店経営とネット関連事業が2本柱。もともとは01年12月設立の焼き肉店を経営する有限会社だったが、買収直前の05年9月にネット関連事業を加え、株式会社に組織変更される慌ただしさだった。

 買収には相手株と自社株を交換する「株式交換」の手法を取った。自己資金の必要ない“打ち出の小づち”だ。買収先のデューデリジェンス(企業査定)についても、弁護士や公認会計士に相手企業に出張して帳簿類の調査などをしてもらわず、アイ社が相手データを公認会計士に渡す程度で済ませていたという。査定費用は本来の10分の1程度の100万円程度だった。

 アイ社の関係者は「本業がジリ貧で売上高を上げるには買収しかなかった。企業買収を発表し、正式に子会社化する間に、また別の案件が入るという状況だった」と明かした。

 ◇段ボール箱2個分押収--代表自宅

 梁山泊グループ代表、豊臣容疑者の自宅がある大阪市西区の8階建てビルには午前8時10分ごろ、府警捜査員9人が入り、約35分後、段ボール箱2個分の資料を押収。兵庫県西宮市の大阪第一企画社長の自宅には午前7時55分ごろ、府警捜査員約10人が入った。

 午前8時45分ごろには、アイ社元顧問でライブドア元取締役の榎本大輔氏の関連会社が入居する東京都千代田区の40階建てマンションに、府警捜査員約15人が捜索に入った。

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 ◆アイシーエフが買収した16企業◆

 子会社化  事業内容        現状

04年 4月 DVD卸売業      解散

    9月 映像制作        社名変更

    同月 通信関連事業      売却

   10月 段ボール販売      売却

   11月 広告企画        売却

   12月 電話受付代行      売却

05年 2月 大阪第一企画      合併

    4月 ネット広告       解散

    5月 駐車場運営       破産申し立て

    7月 服飾デザイン      売却

    同月 不動産広告       売却

    9月 航空券販売       売却

   10月 駐車場機器販売     海外資産管理会社に

   12月 テレビ番組制作     売却

    同月 服飾品輸出入      破産

06年 1月 飲食店経営・ウェブ制作 売却

毎日新聞 2008年2月13日 大阪夕刊

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