京都大医学部付属病院(京都市左京区)の元女性看護師にセクシュアルハラスメント行為を行ったとして、京大は20日、同病院脳神経外科助教の男性医師(38)を諭旨解雇処分にした、と発表した。
病院によると、女性は「2006年10月23日、職場の宴会の帰りに医師から性的暴行を受けた」と病院の人権委員会に訴え、昨年1月に女性暴行容疑で京都府警に告訴した。看護師は同年2月に一身上の都合で退職し、医師は6月に書類送検された。
京大病院は昨年3月に調査委員会を設けたが、女性と医師から事情を聴いていなかったため、京都労働局から対応の是正を求める行政指導を受けていた。その後、両者から聞き取り調査し、医師が性的行為を含むセクハラを認め、女性が退職するなどの重大なストレスを受けたことから、諭旨解雇に相当するとした。医師は「深く反省しており、申し訳ない」と話しているという。
京大の木谷雅人理事は「調査委員会は当初、適切な対応を取れておらず遺憾に思う」とし、19日付の処分の発表が遅れたことについて、病院が関連する行事があったことを挙げて「認識が甘かった」と謝罪した。
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