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県:08年度一般会計当初予算案 総額7039億3300万円 /秋田

 ◇実質、前年度比5.1%減

 県は14日、08年度一般会計当初予算案を県議会に内示した。予算総額は前年当初比1・5%増の7039億3300万円で2年連続で増額したが、県債償還のために新たに発行する借換債が増加したためで、借換債を除いた実質的規模は前年度当初比5・1%減の5771億3900万円。実質的規模でみると91年度以来17年ぶりに6000億円を下回った。産業振興と雇用創出、子育て支援と教育の充実などの分野に重点配分した。県経済の冷え込みなどで県税収入は伸びず、職員給与カットなどで歳出を抑え、不足額148億円を財政2基金から取り崩してしのいだ。取り崩し額は前年度から半減したが、08年度末の残高見込みは172億円で、基金の底が見える緊迫した状況は依然変わらない。【津村豊和、馬場直子、百武信幸】

 寺田知事は内示後の会見で「国家財政は破たんしているため、国からの予算は減ると考えなければならない。これからますます厳しくなるだろう」と見通しを述べた。

 県の懸案事業としては、搭乗率次第で廃止もあり得る秋田空港の韓国ソウル便の利用促進について、これまで継続している着陸料、ターミナル使用料減免(3740万円)のほか、新たに韓国メディアへの宣伝広告費など利用促進緊急対策事業費として1108万円を計上。定期便利用促進関連として総額1億2250万円を計上した。

 6月に北秋田市の北欧の杜公園で開催される全国植樹祭については開催事業費として5億7294万円を計上。また植樹祭後の「あきた水と緑の地球サミット」のフォーラムや記念植樹開催事業費などとして1500万円を盛り込んだ。

 ◇県債発行額は26・2%増

 ◆歳入

 前年度当初比で県民税は増加したが、県内産業の停滞などで軽油引取税が減少、県税全体としては前年度比0・5%減の1020億2700万円。地方交付税は2・3%減少した。県債償還に充てる借換債を含めた県債発行額は前年度比26・2%増加。98年度に県立大整備事業や大館能代空港周辺整備事業により増発した県債が10年償還を迎えたため。地方消費税清算金や地方消費税などを加味しても歳出に対して不足した148億円を基金から取り崩した。取り崩し額は前年度の290億円から半減し、当初予算ベースの基金残高見込みは前年から2億円増え172億円となった。

 ◆歳出

 「更なる財政改革」で収支不足を150億円改善する県の目標は142億円にとどまった。借金にあたる公債費は借換債増加で前年度比21・1%増の2231億円と膨らんだ。人件費は給与削減や退職者数の減少で1551億円と同6・5%減。公共事業など投資的経費は、秋田中央道路建設など大型事業を終え、同10・4%減の1169億円になった。「その他」で、県単独補助事業を70億円削減するなど大ナタを振るったが、社会保障関係経費が同8・6%増の377億円の大幅増になるなどし、目標は達成できなかった。

 ◇基金残高は減少傾向に

 基金残高は決算ベースでは92年度の1505億円をピークに減少傾向にある。公債発行による借り入れを除いた税収などの歳入から、過去の借り入れへの元利払いを除いた歳出を差し引いた収支であるプライマリーバランスは、県財政課によると決算ベースでここ10年間は赤字が続いており、県債発行と基金取り崩しに頼らないためには、さらなる財政収支の改善が求められている。

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 □県予算の主な事業(新規事業は◇継続事業は◆)

 ■重点

 08年度当初予算案は、(1)ものづくり産業の振興による雇用の創出(147億5219万円)(2)社会全体で支える子育て支援と教育の充実(137億6524万円)(3)水と緑の秋田で育む心と体の健康づくり(93億3094万円)--の3分野(公共事業を除く)に重点配分した。3分野の総額は約378億4838万円で、公債費などを除いた政策予算総額に占める割合は前年比4ポイント増の14.6%。

 ■生活

 ◆心の健康づくり・自殺予防対策事業(2414万円)

 「いのちのケアセンター」での相談や、自殺未遂者や遺族への支援

 ◇特定健康審査・保健指導事業(1億2270万円)

 特定健康審査と保健指導で40~74歳の加入者の3分の1を助成し、若年メタボの実態を調査

 ◇肝炎治療特別促進事業(1億214万円)

 B型、C型ウイルス性肝炎患者のインターフェロン治療の半額を助成

 ◆がん総合対策推進事業(5億6513万円)

 仙北組合総合病院にがん放射線治療機器を整備し、緩和ケアを推進

 ◇救急医療支援事業(2億1431万円)

 自治体病院を除く県内の中核的救急病院の運営費を助成

 ◇県有施設幼児コーナー設置事業(180万円)

 県立体育館など13施設に親子が交流できる育児コーナーを設置

 ■教育

 ◇若年教員採用事業(9803万円)

 若手教員の確保のため、小中学校の教員採用枠を約20人で維持する

 ◇小学校一部教科担任制モデル事業(5109万円)

 小規模校12校に専科教員を各1人配置し、学習指導を充実する

 ◇高校生パワーアップ事業(3億6355万円)

 予備校講師の講座(月2回)や教員の予備校での研修などで高校教育のレベルアップを図る

 ◆こども総合支援エリア特別支援学校整備事業(13億6798万円)

 ■産業

 ◇肉用牛生産拡大対策事業(4279万円)

 研修や指導を実施し、優良雌牛を確保

 ◇比内地鶏認証制度推進事業(630万円)

 認証推進委員会を設置、首都圏で比内地鶏をPRする

 ◆目指せ“元気な担い手”農業夢プラン応援事業(6億円)

 品目横断的経営安定対策の対象となる農業法人、認定農業者などに規模拡大に伴う機械・施設整備費の3分の1を補助

 ◇地域中小企業応援ファンド設置事業(45億3035万円)

 県と中小企業基盤機構からの貸付金でファンドを創設。運用益で中小企業の新商品開発などを支援

 ◆企業立地促進事業(41億3877万円)

 研究開発、雇用促進など重点6業種やコールセンターなど情報通信関連企業の投下固定資産の20%などを助成し立地を促進

 ◇新規工業団地造成事業(6100万円)

 大規模企業の誘致を目的に大仙市に100ヘクタール以上の工業団地を造成するための調査、設計

 ■社会資本

 ◆阿仁川災害復旧関連事業(28億1600万円)

 07年9月の集中豪雨で被災した阿仁川の復旧

 ◇高等教育機関施設整備費等助成事業(2億1300万円)

 09年度に日赤秋田短大看護学科から改組する日赤秋田看護大校舎等の施設設備助成

 ◆矢島高校校舎建設事業(15億1875万円)

 県内初の中高連携校として09年度に開校予定の校舎等の整備

 ◇能代警察署改築事業(9959万円)

毎日新聞 2008年2月15日

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