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鳩山邦夫法相(59)が16日、自民党福岡県連大会であいさつし、12人が無罪となった鹿児島の選挙違反事件に関し「冤罪と呼ぶべきではない」と発言したことについて陳謝した。同氏は発言時に「冤罪とは後から真犯人が出てきたケースのこと」と述べていたが、この日、その見解について「法務省や検察が常日ごろ言っていることを、そのまま言っただけ」と釈明。責任転嫁ともとれる言葉は、さらなる批判を呼びそうだ。
「(無罪となった方々には)心からおわびしたい」―。この日、鳩山氏は自らの「冤罪と呼ぶべきではない」発言について改めて陳謝した。ところが、これで終わらないのがこの人。ちゃんと言い訳をつけ加えることも忘れなかった。
「冤罪とは、後から真犯人が出てきたケースのこと」との見解を示していた鳩山氏だが、この日のあいさつでは「法務省や検察が常日ごろから言っていることを、そのまま言っただけ。国会の答弁でも何度も答弁している」と釈明。法務省や検察に責任をなすりつける形となった。
失言で知られる鳩山氏だが、それ以上に事後処理下手を指摘する声もある。全世界に波紋を広げた昨年10月の「私の友人の友人がアルカイダ」発言でも「事実を言ってはいけないのか」と逆ギレした上に、結局は謝罪する羽目になるなど格好の悪さを露呈した。
米放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏は「発言が軽い。法相は荷が重い」と斬って捨てた。米国では法相にあたる司法長官を、弁護士や裁判官を歴任した人物が務めることが多いことを例に挙げ「単なる国会議員じゃ駄目。鳩山さんは東大卒でも、法相なら司法試験くらい受かってないと。それなのに、武部さんや倖田來未さんみたいに気軽に失言を性懲りなく繰り返すとは…。そのうち『富士山が爆発する』とか言いかねないですね」と心配する。
鳩山氏の事務所や関係者には、他の自民党議員から「もう鳩山氏にしゃべらせるな」と多くの怒りの苦情が届いているという。秘書によると本人は自身の舌禍について反省している様子で、鹿児島の事件については「冤罪ではなく、無罪だと言いたかったのに…」と後悔しきり。もともと志布志事件には大きな関心を示しており、無罪となった12人とも当初、会う予定だったという。
かつてのボス、故・竹下登元首相は「永田町で情報を広めたければ、邦夫を呼んで『内緒だぞ』と言うだけでいい」と話していたという。鳩山氏の秘書は「本当に裏表のない不器用な人なんです。確かに誤解を招く発言をすること自体がよくないんですが…」と頭を抱えていた。
(2008年2月17日06時00分 スポーツ報知)