まだ一部のマニアや業界人しか知らないような早耳情報を、NHKの取材ネットワークを駆使し、全国から、世界中から、かき集めてお伝えします。驚き!笑える!ネタ満載。もうすぐ来るかも?話題の予感一杯でお伝えします!
踊る「交通整理」
今、インターネットの動画サイトでは独特な動きの交通整理が、注目を集めている。東南アジア、ヨーロッパなど、その投稿も世界各国から。なかでも、アメリカの警察官トニーさんは、地元には数多くのファンがいるほどの有名人。行きかう車の中央で軽快かつリズミカルに車を誘導する姿には全米から注目が集まり、なんと俳優デビューまで果たした!
日本のとある町にも、大勢のファンがいる交通整理の警備員さんがいた! その人は、岐阜県本巣市の巨大ショッピングモールの駐車場で働く山本一郎さん、54歳。わかりやすい大きな動きで車を誘導するその姿には地元のファンも多く、応援するコミュニティまで存在。登録者数はおよそ2000人にのぼる。
このショッピングモールの車の収容台数は5000台。国道から駐車場へ入り、左へ行けば映画館、右へ行けばショッピングモールとなる、一番利用者の多い分岐地点に、山本さんがいる。4方向から来るお客さんをいかにスムーズに誘導できるかが、腕の見せ所だ。
山本さんの誘導は、体全体を使って車の運転手と会話するという方法。まず運転手にお辞儀。続いて両腕を使い、どちらへ行きたいのか質問をする。運転手はウインカーで行きたい方向を伝える。山本さんは安全を即座に確認しながら、行きたい方向へ誘導。これが一連の流れとなり、次から次へと訪れる車を、右へ、左へ、とさばいていくのだ。一番混みあう昼過ぎには、山本さんの動きもさらに大きくなる。回転。素早く腕を突き出し左へ誘導。そして、決めのポーズ!!
「ゆっくりやってられないから、段々大きく、動作が大きくなってしまうということやね。」
山本さんのこの大きな動きが話題となり、ひと目見ようとこのショッピングモールに来るお客さんもいるほど。
しかし昨年3月ごろ、その動きが小さくなったことがあった。「オーバー過ぎる」という声が上がったのだ。「動作に迷いが生じてしまった」と、山本さんは当時を振り返る。…しかしネット上では、山本さんの動きを心配するファンの声が数多く寄せられた。この声がモール関係者から伝えられ、山本さんは再び元気を取り戻すことができたのだ。