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多摩ニュータウン事業、債務超過1000億超 東京都の包括外部監査
このニュースのトピックス:地方自治
東京都の多摩ニュータウン事業が、平成18年度末時点で1229億円の債務超過に陥っていることが14日、分かった。都の事業は23年度で清算されることになっているが、その時点で879億円の債務超過が見積もられ、一般会計での穴埋めが必要になる。同事業には134億円がすでに投入されており、都民負担は合わせて1000億円を超える公算となった。
都の包括外部監査では、多摩ニュータウン事業は23年度までにすべての土地を処分すれば516億円の売却益が見込めるが、借金の利息もかさむため「自力で負債を完済することは不可能に近い状況で、都の財政負担は避けられない」と指摘。最終的に都の一般会計から879億円を投入して穴埋めする必要があると試算している。
そのうえで、包括外部監査では、債務超過の要因を販売価格の下落と、事業の遅れによる金利コスト増大と分析。高度経済成長期だったとはいえ、事業が地価の大幅下落をまったく想定せずに始められ、事業計画もきちんと文書化されず、責任の所在があいまいだった点を問題視している。
同事業は、18年度に329億円の都債償還期限を迎えたが、造成地販売収入では返済しきれず、穴埋めで一般会計から134億円が投入された過去がある。
多摩ニュータウンをめぐっては平成13年、商業ビルの建設・賃貸を主な事業としていた第三セクター「多摩ニュータウン開発センター」が、384億円の負債を抱えて経営破綻(はたん)。この際、都は85億円の債権を放棄している。