東京都が1000億円を出資して設立しながら経営不振が続く新銀行東京は30日、2007年9月中間期決算を発表した。最終赤字は86億8300万円で、累積損失は資本金の8割近い936億円(07年3月期末は849億円)まで膨らんだ。
同行は融資拡大に偏った07年3月期までの路線を修正。貸出資産の査定を厳格化した結果、不良債権残高(金融再生法ベース)が290億円と3月末に比べ84億円増え、不良債権比率は10.17%と同3.75ポイント上昇した。9月末の自己資本比率は3.36ポイント低下し17.30%。
08年3月期の最終赤字は79億9000万円の見込み。貸倒引当金が一部戻ることやコスト削減を前提としているが、「貸し倒れの発生がまだ続いている」(新銀行東京)ため、達成できるかどうか流動的だ。
新銀行東京は体調不良の森田徹氏(57)に代わって、30日付で新たな代表執行役に津島隆一・前東京都港湾局長(59)が就いたと正式発表した。わずか半年でトップが2度交代するのは異例。津島新代表は「経費削減や債務不履行の圧縮に努めたい」との考えを示した。(23:41)