16日午前10時半ごろ、新千歳空港(北海道千歳市)で、日本航空の札幌発羽田行き502便ボーイング747(乗員乗客446人)が、管制官の離陸許可を受けずに滑走を始めた。滑走路には着陸したばかりの日航・関西空港発札幌行き2503便MD90(同126人)がいたため、管制官が502便に離陸中止を指示。同機は時速約110キロで約500メートル滑走して停止した。けが人はなかった。
管制を受け持つ航空自衛隊千歳基地によると、当時、吹雪で視界が悪く、502便の操縦士は前方の機影を確認できない状態だったという。また、502便は雪のため、予定時刻を50分遅れで出発していた。
日航によると、管制官は「すみやかな離陸にそなえよ。前に着陸機あり」と英語で指示したが、操縦士は離陸許可と勘違いしたという。502便は2503便の手前約1800メートルで停止、前にいた日航機は誘導路に入る直前だった。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は今回のケースを「重大インシデント」と判断。同日、現地に航空事故調査官3人を派遣し、原因究明にあたる。
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