2008年02月14日 更新

仙台・手倉森監督にも制裁金…4選手がキャンプ地で酒酔い車壊す

記者会見で謝罪し、選手への処分を発表した仙台の名川社長

記者会見で謝罪し、選手への処分を発表した仙台の名川社長

 J2ベガルタ仙台は13日、キャンプ地の宮崎県延岡市で駐車中の乗用車を酒に酔って壊したMF金子慎二(20)、MF富田晋伍(21)、DF一柳夢吾(22)、DF細川淳矢(23)の4選手を3カ月間減俸20%の処分にしたと発表した。監督責任として手倉森誠監督(40)らにも制裁金を科す。

 仙台市内で記者会見した名川社長が、処分を明らかにした。一柳は1カ月当たり10万円(推定)、他の3人がやや下回る額の減俸となる。手倉森監督、丹治強化部長、名川社長の3人にも監督責任として制裁金各50万円を科す方針。また、4選手に誓約書を提出させるほか、選手を対象とする研修を強化するなど再発防止に努めていく。

 ただ、6日の“事件”発生に対しJリーグへの報告は12日になってからと時間がかかっており、危機管理能力など対応のまずさが今後、問題となる可能性もある。自身も9日に初めて連絡を受けた名川社長も「連絡が遅かった。しっかり対応していかなければいけない」と認めた。

 また、4選手が問題発生後も練習に参加し、11日のJ2草津との練習試合に出場したことについて、手倉森監督は「しっかりした態度でプレーすることでしか報いることはできない。世間にさらされている状態で、どれだけ挽回(ばんかい)しようという気持ちを見せるかが大事」と釈明した。

 4人は13日、チームを通じて「延岡の方々、ファン、サポーターのみなさまに多大なるご迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っています」(MF金子)などと反省の気持ちを明らかにした。

■酔っぱらいVTR

 6日夜の選手会主催の夕食会後、MF金子が酔った勢いで飲食店駐車場にあった延岡市内の男性が所有する軽ワンボックスカーに上り、屋根をへこませた。他に3選手が関与を認めた。連絡を受けた手倉森監督はすぐに被害者に謝罪。「警察沙汰(ざた)にしないので今後気をつけてください」と言われ、修理代約30万円を負担することで和解した。

★Jは処分せず?

 Jリーグは13日、J2仙台側への処分に否定的な見解を示した。Jリーグ関係者は「(仙台からの)報告書はまだ届いていません。ただ、チェアマンの厳重注意ぐらいでは…」と説明。出場停止や罰金などの処分を下す可能性は低いとした。被害者と示談が成立したことを理由としている。ただ、クラブへの報告が遅れ“事件”がインターネットから発覚。“隠蔽(いんぺい)”体質に非難が集中しており、Jリーグ側は処分せず、では済まないようだが…。

★ロイター通信が世界中に配信

 J2仙台の4選手が起こした“事件”は13日、ロイター通信が“Japanese players trash car during drunken binge”(日本のサッカー選手が泥酔状態で車を破壊)との見出しで世界中に配信した。

★反町監督「コメントできない」

 騒動を起こした仙台の若手4人の中には、昨季まで東京Vに所属し、反町ジャパンで7試合に先発出場しているDF一柳の名も。今回のU−23日本代表米国遠征には選出されなかったが、視野に入っていた一員の不祥事に反町監督は「コメントできない」と顔をしかめるばかりだった。

■Jリーガーの主な不祥事

 ★01年11月 J1福岡の未成年選手(当時)が女子中学生に現金を払い、選手寮でわいせつ行為をした容疑で逮捕。契約解除されたが、1年間ボランティア活動に従事し、復帰
 ★04年2月 日本代表合宿中に7選手が無断外出してキャバクラへ。すしを投げるなど、居合わせた客とトラブルに
 ★05年5月 J2札幌の取締役総務部長(当時)が女子中学生に現金を渡し、わいせつな行為をした容疑で逮捕。懲戒解雇に
 ★06年3月 J1川崎の選手(当時)が泥酔して誤って女性宅へ。住居侵入容疑で逮捕され、解雇される
 ★07年5月 J1磐田の選手(当時)が制服姿の女子高生にみだらな行為をした容疑で、静岡県警に県青少年環境整備条例違反で逮捕された