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「消費期限」表示に集約 食品法令統一へ 国民生活審案

2008年02月14日

 一連の食品偽装事件や中国製冷凍ギョーザ中毒事件を受け、国民生活審議会は14日、所管省庁や法律が複数にまたがる食品表示について、一元化・一本化を目指す素案をまとめた。「消費期限」「賞味期限」の2通りある食品の期限表示について、安全に食べられる期限を示す消費期限を中心に、製造年月日も併記するよう求めている。3月までに最終報告をまとめて福田首相に提言する。

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食品表示の仕組み

 この日開かれた審議会総合企画部会で、作業部会が「食の安全・安心に向けた体制整備」の提言案を報告した。

 提言案は、消費者が食品を選ぶ際に分かりやすい表示とするため、賞味期限と消費期限の二つに分かれている食品表示の改善を指摘。現在は原則5日以内に悪くなる食品に表示が義務づけられている「消費期限」について、5日を超えるものも対象に加え、名称も、消費者が誤解しないよう表現の見直しを求めた。

 さらに、以前は表示が義務づけられていた「製造年月日」を表示することや、期限表示を過ぎた食品の販売禁止を明確化する考えも示した。

 食品表示に関する法律は、農林水産省所管の日本農林規格(JAS)法、厚生労働省所管の食品衛生法、健康増進法、公正取引委員会所管の景品表示法など複数にまたがり、問い合わせ窓口の分散や取り締まりの重複が見られる。「消費者・生活者にとってわかりにくく、業者にとっても負担となっている」と指摘し、関係法令を整理して「食品表示法」(仮称)を新たに制定して、不正表示などを取り締まる行政機関についても一元化を進めるべきだとしている。

 作業部会副主査の角田真理子・明治学院大准教授は「消費者に誤解の多い現在の期限表示を改め、表示の意味を正しくとらえるとともに安全が確保できるように最終報告でまとめたい」と話す。

 一方、業界側には、食品の製造工程はものによって違いが大きく、「製造日表示は期限表示より分かりにくい」(食品メーカー幹部)との声がある。審議会委員の池田弘一アサヒビール会長は、製造日と期限の併記に一定の理解を示しつつ、「どの時点をもって製造日とするか分かりづらい」と話す。

 期限切れ原料の使用で昨年、事実上の生産停止に追い込まれた菓子メーカーの不二家は、製品に製造日を表示していない。「冷凍ケーキの場合、解凍日を製造日とすることで各社の足並みがそろうのか。対応が違えば、かえって消費者が混乱する」という。

 

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