MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(8)放置自転車 (4/4ページ)

2008.2.14 08:19
このニュースのトピックス溶けゆく日本人
駐輪禁止の歩行者優先道路に、駅利用者や買い物客らが堂々と自転車をとめていく=東京都練馬区光が丘駐輪禁止の歩行者優先道路に、駅利用者や買い物客らが堂々と自転車をとめていく=東京都練馬区光が丘

                  ◆◇◆

 放置自転車ではないが、もっと悪質な例もある。横浜市都筑区の遊歩道で散歩をしていた67歳の男性が後ろから来た自転車と接触した。男性は転倒し、左目の下の骨を折って2週間入院する大けがを負った。自転車の若い男は「すみません。後でここに連絡をください」と電話番号を書いた紙を男性に渡して走り去ったが、番号はでたらめだった。こうなると自転車は凶器でしかない。

 横浜国立大学工学部の中村文彦教授(都市交通計画)は「自動車と同様、自転車に乗る人にもルールを守る義務があるが、それをわかっていない人が多すぎる」と苦言を呈する。解決策として、自転車防犯登録の厳格化▽車の免許更新時に交通事故の映像を見せるような啓発活動の強化▽中高生に対する自転車のマナー教育を徹底−を示す。「自治体も管理区域を細分化して、多少見栄えが悪くても駐輪場をつくるべきです」

 自転車は近年、環境に負荷をかけない点で注目されている。きれいな道路や公園、立派な商業施設があっても、そこに自転車が乱雑にとまっていては安全ではないし、地域のモラルの低さがあらわになったかのようでみっともない。環境や街の美観を守ることがタダではないことを思い知るべきでないか。(小川真由美)

                   ◇

 《メモ》 警察庁によると平成18年の自転車事故は17万4262件。交通事故全体の約2割を占め、10年前(平成8年)と比べて24.7%増加。自転車乗車中の死者数は8 1 2 人で65歳以上がその約6割を占める。負傷者は16〜24歳が最も多く21.5%。次いで15歳以下が19.7%、65歳以上が17.2%。自転車側に法令違反があった割合は全体で67.9%。死亡事故では76.3%とさらに高くなっている。

このニュースの写真

駐輪禁止の歩行者優先道路に、駅利用者や買い物客らが堂々と自転車をとめていく=東京都練馬区光が丘
広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。