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【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(8)放置自転車 (2/4ページ)
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別の女性会社員(39)は質問に答えてくれた。朝7時半過ぎ、約1キロ離れた自宅から長男(5)を自転車に乗せてここまで走り、スーパーの前に自転車を横付けし、保育園に子供を預けて出勤。夜7時前後に駅から徒歩で長男を迎えに行き、スーパーで買い物。自転車の前かごに買い物袋、後ろに長男を乗せて帰宅。長男が3歳の時、一戸建てを購入し、車は住宅ローンがきついため手放した。徒歩だと子供連れでは自宅まで20分はかかる。
駅の隣に有料駐輪場があるのも知っているが、「1回100円? 撤去に4000円? 自転車にお金は払いたくない。駐輪場まで行くのが面倒だし」と悪びれた様子はない。
近くに住む主婦(26)は「幼稚園に通う子供が、将棋倒しになった自転車に足をぶつけてけがをした。危ないし見た目も悪い。何とかしてほしい」と訴える。
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都市部の駅周辺は『駐輪禁止』を示す看板をあざ笑うかのように、一日中、自転車が放置されている場所が少なくない。東京都青少年・治安対策本部の調査では、都内の放置自転車数のワースト5は(1)赤羽駅(2076台)(2)池袋駅(1807台)(3)大塚駅(1756台)(4)光が丘駅(1663台)(5)吉祥寺駅(1401台)。
光が丘駅周辺は大型スーパーと50ヘクタール超の都立光が丘公園が隣接。駅前の一般道路は同区が条例で放置禁止区域を設け、放置自転車は条例違反として強制撤去し、返却手数料として1台4000円徴収する。だが、公園に通じる歩行者優先通路は都立公園の一部となり、放置禁止区域を指定できず、強制撤去も自転車返却の手数料徴収も原則としてできない。それだけに、地域住民のマナーがストレートに表れるともいえる。