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【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(8)放置自転車 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:溶けゆく日本人
■「駐輪は無料」の認識
都営地下鉄の駅周辺は放置自転車であふれかえっていた。ここは東京都練馬区光が丘。放置自転車が多いと聞いて訪ねたが、想像以上の数に驚かされた。もちろん一帯は駐輪禁止。東京都などによると放置自転車は多い時で約4000台になるという。
時刻は夜8時。歩行者優先道路であっても、家路を急ぐ人たちは放置された自転車のために真っすぐに歩くことができない。スーパーの出入口は放置自転車でふさがり、利用者は回り道を余儀なくされている。駐輪場は徒歩で数分、自転車なら数十秒の距離にあるのだが…。
駐輪禁止の看板の前で、自転車のロックを外す女性を見つけた。自分の自転車がたくさんの自転車に囲まれて出しにくくなっているのに憤慨している様子だ。
思い切って声をかけてみた。
「近くに駐輪場があるのに、なぜここにとめるのですか?」
「なんであんたにそんなことを言われなきゃいけないの! どこにとめようが私の自由でしょ」
いきなり“逆ギレ”の言葉を浴びせられた。女性はおかまいなしに周囲の自転車をどけて走り去った。どかされた自転車は歩道に無造作に置かれたままとなった。