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人が変わればクルマも変わる

02/14

もはやこのBMW330カブリオレは、何より新條さんの近くに寄り添う存在なのかもしれない。新條さんのお眼鏡にかなう、次なるクルマは果たして……。
528i、330カブリオレと乗り継いできた新條さん。気づけば、もうBMWオーナー歴もずいぶんと長くなった。次のクルマもやはりBMWなのだろうか。

「実は今のところ『これ!』という次の候補はないんですが、BMWの6シリーズには興味がありますね。見ていて、すごく完成度の高さを感じます。ただもともと私が感じるBMWの魅力とは、元の質感の良さと自由にカスタマイズできそうな懐の深さ。今の6シリーズは完成度が高いだけあって、自由にイジりづらそうな印象もある。クルマって、少し気に入らないところがあるくらいの方が楽しい面もありますよね。だからもしかすると、全然違うクルマに行くかもしれません。この間、ドイツ車がどんどん大きくなっているという話を聞きました。今の3シリーズって、私が乗っていた頃の5シリーズと同じサイズらしいんです。当時、私の乗っていた528iが『無人車』って言われていたことを考えると、いっそのことミニ・クーパーみたいなクルマの方がいいのかな、とも思います。今のクルマは、もう完成してやることもなくなっちゃいましたしね。って、この間も同じことを言った後に、ホイールを20インチにインチアップしてるから、あくまでも今の時点でそう思うというだけの話ですけど(笑)」

時がたてば、人は、思考も嗜好も変わる。BMW一筋だった新條さんも、「買収されて、もうBMWだから(笑)」という理由があるとはいえ、ミニ・クーパーをも視野に入れている。

「BMWに乗り始めた頃は、二子玉川に住んでいたんですが、当時は曲がり角が交差点なのか立体交差もわからなかった。だから、環七や246も中央車線以外走れませんでした(笑)。その当時から考えると、私もずいぶんと変わったのかもしれません」

時がたてば、そして環境が変われば、人は変わる。その変化の分だけ懐が深くなり、人間としての幅が広くなる。すると、まだ見ぬクルマの新しい魅力を受け入れ、馴染んだクルマに新しい魅力を見出すこともできる。きっとそんなチカラだってついてくる。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

つかの間のストーカー

02/12

もはやM3以上と言ってもいい330カブリオレ。マフラーは当然のように4本出しだが、「廃棄効率と動力性能のバランスも考え……られているみたいです」。性能については、やっぱりお任せスタイルである。
「もうこの330にも8年くらい乗っています。今では、いろんなドレスアップをしている人も増えたから、都心で走っていてもそんなに目立つクルマじゃなくなりました。ただ、最初の頃は、これに乗ってたら絶対悪いことできませんでしたね。いや、悪いことしてたわけじゃないんですけど(笑)」

チューンやドレスアップ好きのEDGEな読者なら一度や二度は覚えがあるかもしれない。とりわけ各都市の首都高速などで、トガったクルマに出会う。すると、「このクルマ面白い!」、「もっと見たい!」と吸い寄せられるように後をついていってしまう。新條さんがこのBMW330に乗り始めた頃、このクルマはそうしたEDGEなドライバーのターゲットになっていたのだ。

「別に飛ばしていたわけじゃないし、見た目が抜群に速そうなドレスアップをしていたわけでもない。でも、まだ台数が少なかった頃は、物珍しかったみたい。首都高を走っているとよく後ろからつかず離れずという距離でよく尾行されていました(笑)。仲間と何台かで走っていたときはいいんですけど、一人だと『誰も話しかけないでー』状態だったから、怖かったですね」

他にも、都内で「昨日、六本木に停めてなかった?」、「この間、まゆたん見たよー」など友人から声を掛けられることも多かったという。

「なかば、都市伝説と化していたみたいですね(笑)。知らないところで、自分のクルマの幻影が一人歩きしていたような感じでした」

次回はいよいよ新條さんの最終回。新條さんが、「次の1台」も含め、BMWの魅力を語り尽くす。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

都内の駐車場事情に詳しくなったその理由

02/06

ボディと見事に一体感のあるミラーは、当然、ACシュニッツァーのもの。固定式のボディとの一体感は折りたたみ式にはないデザイン性につながる。
走行系のチューンについてはチューナーに任せることも多い新條さんだが、ドレスアップとなると、やはり自分でパーツ選択まで行う。自らの感性で作品を作り上げる新條さんは、パーツ選びの楽しさも知っている。

「パッと見て気になるところは、やっぱり替えたくなりますよね。実は納車されてすぐ、ボンネットと足回りよりも先に気になったのが、ミラーだったんです。BMWのミラーって、折りたたむための可動部分が、黒じゃないですか。黒のボディならまだしも、赤のボディにあの黒はちょっと……。だから、本当に本当の最初のリクエストはまず『ミラーを替えたい』だったような気がします」

ミラーを替えた新條さんだったが、ここでもチューナーとの密な間柄を示すエピソードが。

「実はこのミラーも何回かか取り替えていて、以前はM3タイプのミラーにしてもらっていたのに、気づいたらシュニッツァーになっていたんです。『他のパーツがシュニッツァーなのに、ここだけ違うっておかしくない?』と言われて、『それもそうか』と思っていたんですが……」

ところが、このミラーには今までのミラーとは決定的な違いがあった。

「デザインとしては気に入っているんですが、固定式でたためない。だから、駐車場探しが結構大変なんですよ。立体駐車場だと『ミラーは必ず折りたたむ』というところがほとんどじゃないですか。いろいろイジっているとはいえ、ミラーも含めたクルマ全体の車幅は変わっていないから、サイズだけなら都心の大型の駐車場なら入るはずなんです。ただ、立体駐車場のルールはルールだから、仕方なくヒラ置きの駐車場に入れてます。それもあって、都内のヒラ置きの駐車場には結構詳しいですよ。ふふっ」

デザインのためなら、多少の手間もいとわない。だからこそ、新條さんのBMW330はトガったカッコ良さをキープし続けられるのだ。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

ボンネットの中身は知りません!

02/01

「自分ではイジらない」というボンネットの中身。ストラット・タワーバーの存在感が、その剛性を物語る。電極型トルク/レスポンスアップアイテムについては、新條さんとしては「撮っちゃダメー!」というほど、微妙な位置づけらしい。
本人が愛車BMWでもっとも知らない部分、それが目に見えないボンネットの中身なのだとか。と、ボンネットを開けてみると、驚いたことに極太のストラットタワーバーが左右に渡されている。しかも左フロントタイヤの上には、あの伝説の電極系トルク/レスポンスアップアイテムのランプがチカチカと……。

「あっ! それ見せないでぇえ! BMW仲間の間で数年前に流行ったけど、実際効果があるのか評価がわかれていて、最近身内の間でビミョーなアイテム扱いされているヤツなんです……。実際、最近月に数回しか運転する時間がないから、わからないのかもしれないけど、時折、『それ、効果あるの?』って聞かれると、答えられなくて困るんですよー」

多忙を極める新條さんの平均睡眠時間は3時間程度。〆切明けには、「寝てるのがもったいなくて遊びに行ったり、クルマで出かけたり」というが、なかなかハンドルを握る機会がないのが現状だという。

「あまり乗っていないから、最近では足回りを少しぐらいイジられても、『えっ!? 変えたの?』っていう程度。よく乗る時期だと、タイヤを替えたり車高をイジると、接地感が変わるのもすぐわかるんですけど。さっきのアイテムもそうですけど、今はタワーバーにしてもどのくらい効果があるのか、自分でもよくわからないんですよね。実際ボンネットの中なんて普段そんなに自分で覗く場所じゃないし、見てもよくわからない。だから、少し目を離すと、すぐ知らないものを入れられちゃう(笑)」

ち、ちなみにこのボンネットの中身ももしかして……。

「いつの間にかついてました(笑)。理由を聞いたら『何となく、つけといた方がいいかなと思って』ですって! ただ、デモカーみたいになってる分、相当値引きしてもらってるから、『行って来い』なんですけどね(笑)」

どうやら新條さん、知らないうちにつけられたパーツを密かに楽しんでいるようだ。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

悪魔の囁きに誘われて……

01/29

19インチのホイール+ピレリタイヤがタイヤハウスギリギリに収まっているように見える。ところが、実はこの取材の後、何と20インチに変更したという衝撃の事実が発覚。一体、現在ではどんな収まり方をしているのだろうか。
BMW330を手に入れて半年後、「ボンネットがイケてない!」と交換したことは1月7日の回で紹介したが、この交換したボンネットももともとのボディとの相性が悪く、境目が1~2mmほど浮いて見える状態だったという。

「私は気にならなかったんですけど、クルマを持ち込むとチューナーが耳元で『それ、ダサイよ』って囁くんです。言われ続けるうちに自分でも気になって来て、ある日『ボディもイジっちゃおうよ』という悪魔の囁きに、つい耳を貸してボディも全部M3仕様に変えることに。結果、継ぎ目がキレイになったのはよかったんですが、費用が……。多分、M3が買えるくらいかかっているような気がしますけど、もうよくわかりません!」

と、本人が頭を抱えるほどの手のかけよう。ただし新條さん自身もドレスアップには相当積極的で、ホイールなどは、もう3回は変えているという。ノーマルを18インチにインチアップし、チューニングショップで18インチの試作デザイン品を「無理矢理、奪い取った(笑)」とか。

「最初はショップも『330だと、18インチがギリギリ』って言ってたんですが、その後『19インチが、330に入るようになった!』って言われて、また交換。ただ、最近になって今度は『20インチが入るようになった』って、また私を誘惑するんです。といっても、ここまでインチアップすると19インチでも結構ハンドルが重い。だから、もうインチアップはしません!」

しかし、まさかの出来事が。取材後しばらくして「20インチにしちゃいましたー」という連絡が。取材時には本人すら予想していなかったんでしょうけど……。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

「無人車」の恐怖

01/24

330でも、このサイズに収まってしまう新條さん。5シリーズとなると、無人車に見えてしまうのも、無理からぬことなのかも。一見、マニュアルにも見えるシフトレバーは「縦にしか動かないすぐれもの(笑)」。
初めて手に入れたのはBMW528i。「まずはエアロから」と言われて、紹介してもらったチューニングショップでエアロを装着した。BMWのファンサイトで「エアロつけたよー」と報告したら、お披露目オフ会をやってくれるという。喜び勇んで新條さんが、会場に乗りつけたところ……。

「遠くから『おーい!』って手を振ったら、ドン引きされたんですよ! まず、身長が151cmしかないから、528iのシートに座っていると外から見えなかったみたいで、『なんだ?』、『無人車だ!』『都市伝説になるぞ!』とか言われたんです。しかも、エアロ以外の足回りはドノーマルだから、『本当に自分で買ったの?』、『お父さんのクルマじゃなくて?』と、もう散々! オマケにオートマだから大丈夫だろうと、10cmの厚底ブーツをはいてたから、それでもドン引きされて……」

厚底ブーツはそりゃドン引きされるでしょうが、他は引かれるほどのことでもないような気も……。

「ただ、しばらく後に足回りを変えてみてビックリしましたね。ザックスのスポーツサスに変えて、車高も落としたら高速での安定性が全然違うんです。それまで東名のカーブとかでもふわふわしていて怖かったのが、クルマがピタッと路面に吸いつくようで全然怖くない。『だから、みんなイジるんだぁ』って、目からウロコでした」

当時のホイールは、まだ日本未発売だったM5仕様のもの。周囲には「もうM5が!?」と勘違いする人も現れた。この体験以来、新條さんのBMWのドレスアップは急速に進化し始める。ただしこの頃は、「今ほどになるとは、夢にも思っていなかった」とか。というほど、新條さんが現在乗っているBMW330には、まだまだ秘密が隠されている。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

購入直後の彼氏との別離……

01/21

先代のBMWに乗り始めた頃は、ここまでイジるようになるとは想像していなかったという。エアロパーツも最初に取りつけたものをわざわざ外して、現在のM3モデルのエアロパーツへと移行したのだとか。
今ではすっかりBMWオーナーとして知られる新條さんが、最初にBMWを購入したのは26歳の頃。上京して数年がたち、漫画家としても『快感?フレーズ』などの作品がヒットした頃に手に入れた528iが最初に手に入れたBMWだった。

「きっかけは当時、お付き合いしていた人のせい……いや、おかげですかね(笑)。ドライブに出かけたとき、『疲れたから代わって』って言われたんですけど、それまで私、都内での運転経験もなければ、大きなクルマを乗り回したこともなかったんです」

当時、付き合っていた男性が乗り回していたのは、排気量5000ccのメルセデス・ベンツSEL500。運転の交代を「ムリ~!」と及び腰で断った彼女だったが、そのベンツを運転できるようになるために、「大きな」輸入車を物色し始めたという。

「フェラーリやポルシェは最初の1台にはハードルが高いし、ベンツはもっと年を重ねてからでいい、そう考えたとき、選択肢として残ったのがBMWでした。ただ当時の3シリーズは彼のクルマを運転できるようになるには小さかった。でもいきなり排気量4000cc以上の7シリーズはいくら何でも大きすぎ。そこで間を取って、紺メタリックの528iを選んだんです。でも納車された途端、その彼氏とは別れちゃったんです(笑)」

初めて輸入車を手に入れたものの、それは今まで周囲で見た「カッコいいクルマ」には届いていない。ノーマルのままではいけない気もするが、頼れる人もいなくなってしまった。そこで新條さんは、BMWのファンサイトを覗いてみた。

「詳しい人がたくさんいるかな? と思って。で、おずおずと『あのぉ。BMWを買ったはいいんですけど、何をどうすればいいんでしょうか』って質問したら、『まずは、エアロからじゃない?』という解答してくれた人がいたんです。当時はエアロが何かもわからなくて、『何? エアロって!?』というところからのスタートでした(笑)」
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

こっちのボタン、なんだろう……。 ステアリング編~その2

01/16

ステアリングを握ると親指近くに位置する赤黒ボタンは、ハザードボタン。ただし、本文中でも触れたように、左の黒ボタンは新條さんも「何も起こらないボタン」だと信じ切っていた。
(前回の続き)新條さんを襲った思わぬハプニングとは一体……?

「実は、ある日チューニングショップから帰ってきた、この子を見たらボンネットとトランクのエンブレムの上に何かついてるんです。よく見ると、走行時の風圧でエンブレム型のプロペラがクルクル回るという妙なアイテム。スタッフに聞いたら『これ、新開発のクルクル回る“プロペラ君”』って半笑いで言うんですよ。『絶対こんなのヤダ! カッコ悪い!』って文句を言ったら、はがしてくれたまでは良かったんですけど、水色の部分に赤のカッティングシートを貼ったお気に入りカラーのエンブレムまではがれちゃったんです!」

当然、下から顔を出したのは、オリジナルの水色のエンブレム。現在、新條さんのお気に入りカラーエンブレムは、かろうじてステアリング中央にのみ生き残っている。ん? ちなみに横に見える赤と黒のボタンは……?

「これ、赤はハザードのスイッチになっているんです。チューニングショップのスタッフのクルマに搗いているのを見て、『F1のシフトみたい。私もこれほしい!』って。実際、BMWのハザードって、ダッシュボード中央付近にあるから、高速で走っているときにはちょっと押しにくい。ステアリングについていれば、お礼や渋滞のときにもすぐハザードを出せて便利なんですよ」

確かにその機能は便利そう。では、左に見える黒のボタンは?

「何も起こらないんです(笑)。チューニングショップの人にも時々思い出したように『何の電気系統割り当てる?』って聞かれてるんですけど、割り当てが思い浮かばなくて……。良かったら、試しに押してみます? 何も起こりませんけど」

ありがとうございます。ポチッ!
カチ、カチ、カチ、カチ……。あ、あのぉ、新條さん、ハザードが点滅してますけれども……。

「えー!? どうしてつくの? いつの間にー!?」

新條さん……、物語だけじゃなく、ハプニングも多すぎです。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

純正からの脱出 ステアリング編~その1

01/10

どこのパーツにも物語があるのが、新條さんのBMW330。とりわけ、ハンドルには物語が豊富にあるのだとか。

「330の純正ステアリングって、細いのに全体が大きいんです。それがどうしても気に入らなかったところに、あの大好きなM3のステアリングが入荷されてきた。もう一目見た瞬間、『カッコイイ!』って叫んでました(笑)」

しかし、いざドライバーズシートをのぞいてみると、そこにはSMGが……。

「その後、SMGが発売されて、しかもパドルシフトなんですよ。『これ、F1みたいでカッコイイ! これがいい!』とまたまた一目惚れしたんですが、今度はすぐにはつけられなかったんです。そもそも私の330はオートマだし、まだつけ方をチューナーも知らなかった。ガッカリしていたら、ある日「つけられるようになった!」という連絡があって、これも即「替えてね!」とお願いしちゃいました」

しかもよくよく見ると、ステアリング中央のエンブレム、水色部分が赤に変更されている。こんなエンブレム、見たことないんですが……。

「でしょ?(笑) 実はこれカッティングシートを水色の部分に貼ってあるんですが、BMW仲間の間で一時期好きな色に変えるというのが流行ったんです。それで、ボンネットとトランク、それにステアリング中央のエンブレムの水色を、全部赤に変更したんです」

ところが、思わぬハプニングが新條さんを襲ったという。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro

BMWが好き。でもボディカラーが…

01/07

「本当はM3のカブリオレがほしかったんです。でも、発売が半年後と言われ、待ちきれなくて……。そんなとき、友だちと行った富士スピードウェイのBMWのイベントでこの330を展示していたんです。天井がウィーンって開くのを見て、即『注文!』って(笑)」

一撃で新條さんのハートを射抜いたとなれば、このクルマのEDGEポイントは、まずハードトップで決まり! と開閉してもらおうとしたところ……。

ガタガタガタ……(シーン)。
「エェッ!? 出てこない~!」

というわけで、新條さんのハートを射抜いたBMW330カブリオレのハードトップは、身動きもしないまま、本連載でのEDGEポイント掲載は見送りに。

さて! 気を取り直して、本日紹介できるEDGEポイントのご紹介。  新條さんのBMW330を見て誰もが驚くのが、「えっ!? 330?」とそのボディのフォルムと、もうひとつ。「BMWにこんな色あった?」。

そう。新條さんがBMW330を購入して、真っ先に手をつけたのが、M3ボディへのチューンとボディの全塗装。その330をM3タイプにするべく、ボンネットをM3タイプに変更し、ボディの全塗装に手をつけた。

「このクルマを購入するときには『赤しかない』とボディカラーは決めていました。ただ、純正のカラーリングが好きじゃなくて。元の色はもう少し朱色がかった赤だったんですが、私にとって赤と言えば、フェラーリレッドのロッソコルサです!」

この日の新條さんの私服は、目にも鮮やかな赤いコート。クルマとファッションのコーディネートも決して忘れていない。そんな新條さん、少し離れたところで「取材なのに、“ウィーン”が出てこないのー」と、チューニングショップに電話をかけていました。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro