著作権話(3)*前よりもっとやばい [著作権]
前のJASRACの話はやはり予想以上に知られていませんでした。まぁダイヤモンドは他の経済系・政治系雑誌に比べればマイナーですからね。あと大手メディアがあまり報道したがらない、というのもあります。まぁ某宗教団体みたく批判した出版社をすぐ訴えますからね。今の弱腰でジャーナリズムの保護よりも自分たちの懐の保護を優先するメディアには耐えられませんね。
さて、年間1000億円といわれる著作権使用料を集めるJASRAC。当然そのお財布はかなり肥えているようで、2000年あたりの役員報酬をみてみると当時のJASRAC理事長が年間で3565万円、常務理事で2771万円もらっています。ちなみに、あの緑資源機構(00年は森林開発公団)で2600万円、道路公団(現在は民営化)総裁でも2614万円であることを考えるとかなり高額すぎます。しかもその前の理事長も退職金を含めると1億円以上もらっています。
さて、JASRACのような公益法人では理事の報酬は第3者機関である『役員報酬審議会』で決定されます。しかし、ダイヤモンドの記述によると、この役員報酬審議会のメンバーは全員JASRACの理事なのです。つまり、自分たちの給料を自分たち自身で決めていたのです。
そしてこのJASRACの放漫経営・サラ金取り立てのような使用料徴収を見逃しているのが文部科学省です。それはなぜか?
たとえば95年11月~98年11月まで理事長だった加戸守行氏は元文科省官房長(現愛媛県知事)、その後任の小野清子氏も文教族議員です。つまり、JASRACはかなり大きな文部官僚の天下り先だったのです。しかも1950年代からずっと理事の名前の中には文部官僚だった人物の名前が見えています。これでは緑資源機構が農水官僚の天下りを受け入れていたのとまったく同じではありませんか。
そしてこれを象徴するような事件が94年の『黒い霧事件』です。これは古賀政男音楽文化振興財団がJASRACから78億円を30年間無利子で貸り、さらにその金で財団の土地にビルを建て、JASRACが入居することで家賃収入を得ようと計画しました。実はこのときの財団の理事は元大物文部官僚、さらにJASRACの顧問をしていた人物も元文部官僚でした。これはよく考えてみれば著作権使用料という『預かっている財産』での融資は法律に抵触する可能性がありましたが、当時の文部省官房長がこれを了承しました。なお、この文部省官房長はのちにJASRAC理事長になっています。
もはや開いた口がふさがらないレベルです。
みなさんはこれを「自分には関係ない」といえますか? みなさんが買ってるCDの多くはJASRAC管理。つまり、CDを買うごとにJASRACに消費税のように使用料を支払っているのです。ですが不透明な著作権使用料の配分・多額すぎる役員報酬・そして文部官僚の天下り受け入れ。マスコミは音楽番組を放送できなくなることを恐れてか全くこの事実を報道しようとしません。そして前述したように参考資料にしたダイヤモンドの発行元もJASRACに訴えられ、現在も係争中です。そしてJASRACは年間1000億円ももっているのにさらにiPodやパソコンのHDDにも補償金の対象を広げることでさらなる収入増加を狙っています。今こそ消費税の引き上げ問題と同じようにこの問題に声をあげるべきではないでしょうか
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