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市町教委「維持管理が大変」 橋下知事公約の校庭芝生化

2008年02月13日

 大阪府の橋下徹知事が知事選で公約の目玉に掲げた「小学校の校庭芝生化」について、府教委が知事選の後、府内の実施状況を調べるため、各市町村教委にアンケートをしていたことがわかった。大阪市など17市町にある54の小中学校がすでに一部芝生化を進めていたが、回答した市町教委のすべてが芝生の養生や水まきなど維持管理に苦労している点をデメリットに挙げたという。

 アンケートでは芝生化のメリットを尋ねていなかった。府教委は「苦労していることが予想される維持管理に絞って聞いたため」としている。

 府教委などによると、アンケートは今月1日、府内の43市町村教委に配布され、その結果、52の小学校と二つの中学校で芝生化が実施されていることが判明。芝生の面積は150〜1500平方メートルと幅があり、児童・生徒のけが防止を目的に、トラックの外周や鉄棒、ブランコの下などに設けられていた。運動場の全面に芝生を張っている例はなかったという。

 アンケートは、維持管理のコストやデメリットについても質問。維持費は大半が年間20万〜30万円で、保護者や地域住民が実行委員会などを組織して管理しているケースが多かった。一方で、17市町教委すべてが「秋から芝生が枯れて掃除が大変」「養生期間は運動場が使えない」など維持管理上の難点を挙げた。

 府は05〜07年度、芝生化を進めるため、17校園を対象に計3千万円の補助金を支出している。橋下知事は知事選のマニフェストで、芝生化について「18億円を投入し、年間100校の整備をめざす。地域が芝生を管理するなら、府の補助率をアップする」としたが、ある府職員は「芝生を守る組織を作ってもらうのが大変。維持費も含めれば補助金がどれだけ膨らむかわからない」と話す。

 市教委の担当者の一人は「子どもが転んで穴が開いたら、けがをしないように芝を埋めるため、その芝を育てる場所も別に必要だ。管理する人もおらず、費用対効果が小さい」と指摘している。

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