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【主張】沖縄少女暴行 米軍再編への影響回避を

2008.2.13 02:45
このニュースのトピックス凶悪事件

 起きてはならないことがまた起きてしまった。沖縄の米海兵隊2等軍曹が少女暴行容疑で逮捕された事件は、米兵犯罪の根絶を求めてきた沖縄の県民感情を深く傷つけた。日米両国は厳正な捜査と再発防止に全力をあげ、政治問題化しないように最大の誠意をもって事件の解決にあたるべきだ。

 1995年に起きた少女暴行事件では、日米地位協定による被疑者の扱いなどで紛糾、日米同盟を揺るがす政治問題に発展した。1年後、普天間飛行場移設を含む日米特別行動委員会(SACO)合意が結ばれ、これを継承する形で米軍再編事業が10年を経て動き始めたさなかにこの事件が起きた。

 SACO合意も、06年に合意した米軍再編計画も、最大の目標は日米同盟の抑止力強化と、基地負担軽減の2つにある。とくに沖縄は全国の米軍基地の75%が集中している。基地がもたらす物理的、心理的負担に米兵犯罪も含まれるのは言うまでもない。

 それだけに、反基地感情がエスカレートして米軍再編に支障をきたすような事態は、何としても防がなければならない。事件解決に加えて、それが日米両国の政治に課せられた重要な課題である。本来、基地負担を減らすための再編計画にブレーキがかかるようでは本末転倒になるからだ。

 それは日米同盟にもマイナスで、県民の平和と安全にもつながらない。高村正彦外相が「(日米関係などに)影響がないことはあり得ない」(12日)との憂慮を示したのも、そういう意味からだろう。

 地元の理解を得て米軍再編を進めるには、県民感情へのこまやかな配慮と冷静な行政判断が欠かせない。少女を狙った悪質な事件に弁明の余地はなく、仲井真弘多県知事らが強く抗議したのは当然である。

 日米両当局は、こうした怒りを正面から受け止めた上で、事件の解明と厳正な手続きを進めなければならない。「再発防止」を空念仏に終わらせないように、地元と密接に協力して新たな対応策を練ることも必要になる。

 米兵の犯罪は沖縄だけの問題ではない。地元民に納得のゆく解決を果たせるのかどうかを、米軍再編にからむ全国の自治体が見ている。日本政府はそのことも忘れないでもらいたい。

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