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ソウルの象徴南大門、火災で全焼

初期消火に問題か

 10日午後8時48分ごろ、ソウル市中区南大門路4街の国宝「崇礼門」(南大門)から出火し、木造2階建て延べ約177平方メートルの楼閣が全焼した。消防当局は出火直後に消防車39台と消防隊員88人を動員して消火作業に当たったが、現場での初期消火に失敗し、南大門は出火から4時間後に完全に崩壊した。出火原因は放火とみられる。ソウルの象徴ともいえる国宝の焼失という事態を受け、消防当局の初期対応に批判が集まっている。

 消防当局は火災直後の午後8時55分ごろからはしご車や消防ホースを使って消火作業に当たり、出火から2時間後の午後10時半ごろに火災はいったん鎮火したかに見えた。しかし、消防隊員が残り火の消火作業を行っていたところ、2階の「崇礼門」という扁額(へんがく)部分の5メートル内側で再び火の手が上がり、11日午前0時40分ごろに屋根が崩壊し、楼閣は完全に虚墟と化した。

 消防当局は消火作業が困難を極めたため、午前0時ごろに崇礼門の屋根を一部破って内部への放水を試みたが、鎮火には至らず、楼閣の1階周囲からの放水を続けたが、最終的には楼閣の崩壊を防ぐことができなかった。

 火災現場を最初に目撃したタクシー運転手(44)は、「車を止め客待ちをしていたところ、男一人がショッピングバッグを提げ、崇礼門の脇の階段を上るのを見た。男が立ち入って数分後に2階部分で花火のような赤い火花が見え、火の手が上がったので警察に通報した」と話している。

 崇礼門は通称南大門と呼ばれ、朝鮮王朝時代に都の漢陽(現在のソウル)の四方にあった城門の一つ。韓国の国宝第1号に指定されている。

李錫雨(イ・ソクウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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