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ラントス下院外交委員長が死去 米政界の人権派
このニュースのトピックス:慰安婦問題
【ワシントン=山本秀也】米連邦議会で唯一のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺生存者として、米政界の「人権派」重鎮だった民主党のトム・ラントス下院外交委員長が11日、食道がんのため、メリーランド州のベセスダ海軍病院で死去した。80歳だった。
ラントス氏は、いわゆる慰安婦問題をめぐる対日非難決議の下院採択で主導的な役割を演じた半面、中国などの人権抑圧に厳しい立場を取り、1995年には台湾の現職総統だった李登輝氏の訪米実現に尽力していた。
ハンガリー出身のユダヤ系で、少年時代に強制収容を経験。戦後、米国籍を取得し、80年にカリフォルニア州から下院議員に選出された。現在14期目だったが、食道がんを先月明らかにし、来年1月の任期満了での政界引退を表明していた。
ブッシュ米大統領、ペロシ下院議長は同日、それぞれ「死去を悼む」との談話を発表した。後任の外交委員長や、同氏の死去に伴う下院議席の補欠処理は未定だ。