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橋下大阪知事、「府債発行ゼロ」を撤回

 大阪府の橋下徹知事は10日、「府債発行を原則ゼロ」としていた予算編成方針を事実上撤回し、2008年度当初予算で約160億円の府債を計上する方針を明らかにした。当初予算は7月までの暫定的なもので、通年ではさらに発行額が増える見通し。橋下知事は「府民生活に影響を及ぼす事業では発行を認めるが、原則ゼロという認識に変わりはない。府民の理解は得られると思う」と方針転換ではないことを強調した。

 橋下知事はこの日、前日に引き続いて08年度当初予算案に盛り込む事業を選別する「知事査定」を実施。終了後、記者団に答えた。

 府債発行の対象事業については「まだ決定していないので、今の段階では申し上げられない」と明言を避けたが、後年度に国の地方交付税で補てんされる府債だけではなく、府が全額負担する府債も含まれていることを認めた。「長期間使用する施設などは世代間で公平に建設費を負担するのが望ましい」と発言していた経緯があり、府営住宅の整備など複数年度にまたがる建設事業の経費などに充てるとみられる。

 府の借金にあたる府債を巡っては、橋下知事が選挙中から「原則発行ゼロ」の方針を掲げていた。6日に行った財政非常事態宣言の中でも「原則認めない」と表明。

 一方で、府民生活に重大な影響を及ぼす事業は予算計上するとの意向を示しており、府幹部の間では「府民サービスを考えると、府債を発行せずに予算を編成するのは難しい」との見方が広がっていた。

 橋下知事はこの日、府債発行を認めたことについて「『ゼロ』と言ったのをゼロにできていないが、これを朝令暮改と言うのかどうかは有権者の判断だ」「僕は『原則ゼロ』と言っていた」と釈明した。

 さらに、07年度の府債発行額が約2300億円に上ることに触れ、「財政課が(約160億円に)抑えてくれたと思う。どうしても必要なものに関しては議会、府民に説明すると当初から言っていた」と述べた。

2008年2月11日  読売新聞)

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