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割りばし死亡事故:12日判決 遺族「真実明らかにして」

隼三君の遺影の前で、判決について語る父正雄さん(中央)、母文栄さん(右)、兄雄一さん=東京都杉並区の杉野さん宅で、北村和巳撮影
隼三君の遺影の前で、判決について語る父正雄さん(中央)、母文栄さん(右)、兄雄一さん=東京都杉並区の杉野さん宅で、北村和巳撮影

 東京都杉並区で99年、のどに割りばしが刺さって死亡した杉野隼三(しゅんぞう)君(当時4歳)の両親が、「十分な診察を怠った」として学校法人杏林学園(三鷹市)と担当医(39)に8960万円の賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁(加藤謙一裁判長)で言い渡される。

 隼三君は99年7月10日、盆踊り会場で綿菓子の割りばしをくわえたまま転倒し、杏林大付属病院に運ばれた。担当医は傷に薬を塗っただけで帰宅させ、隼三君は翌朝死亡。司法解剖で7.6センチの割りばし片が脳に刺さっていたことが判明した。

 病院側は一貫して「脳に割りばしが刺さっているとは予想できない」と過失を否定し、直接の謝罪はない。

 父正雄さん(56)は「調査を尽くさない姿勢に納得がいかなかった」、母文栄さん(50)も「きちんとした説明と謝罪があれば、提訴しなかった」と話す。兄雄一さん(20)は「兄弟3人いつも一緒だった。命が失われた理由をはっきりさせて」と訴える。

 担当医は業務上過失致死罪に問われたが、06年3月の東京地裁判決は過失を認めながら「救命可能性が極めて低かった」と判断し、無罪を言い渡している(検察側が控訴)。【北村和巳】

毎日新聞 2008年2月10日 20時00分 (最終更新時間 2月10日 20時48分)

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