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さんま |
いや、ぼくもね、改めようとか、
こういうふうに生きてみようとか
思ったことは何度もあるんですけど、
もう、本当にダメですね。
ダメなのはわかってるんですけどね。
いまさらダメなところを取り返せないから。
あの、追いつかなかったんですよ、すべて。 |
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糸井 |
あ、やっても、やっても。 |
さんま |
追いつかなかった。
戻そうとか、これやろうとか、
こういうふうに人生生きてみようとか、
みんな思うんですけど、
あの、追いつかないんですよ。
ああ、もう過ぎてるやんとか。
いまさら、これ直したところでなにがとか。
なんか人のためにとか思っても、
そういうのはもうやっぱり
追いつかなかったですね。 |
糸井 |
はぁーー。 |
さんま |
こないだね、秋野大作さんと話したら、
「いま、世界平和について考えてる」と。
まじめにおっしゃるんです。
で、そのあとに言ったのが、
「でも、なにから
手を出していいかわからない」と。 |
一同 |
(笑) |
さんま |
そういうことをおっしゃられたんですけど、
これは、すばらしいなと。 |
糸井 |
「なにから手を出していいかわからない」。 |
さんま |
「なにから手を出していいかわからない」。
そこですよね、やっぱり。けっきょくは。 |
糸井 |
追いつかないんですね。 |
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さんま |
追いつかないんですよ。 |
糸井 |
なるほどね。
いや、そうですよ。 |
さんま |
まぁ、ほかの人がどうかわかりませんけど、
ぼくは、追いつかなかったですね。
やり直したくても、
たぶん、ぼくは追いつかないです。 |
糸井 |
追いついたときには、
その話は終わってるんですよね。 |
さんま |
はいはい、そうです、そうです。 |
糸井 |
昔は、それが欲しかったんだけど、
いまはいらないんですよね。いつでもね。 |
さんま |
だから、追いつけない。 |
糸井 |
その意味で、生ものはおもしろいんですね。
スポーツ、ギャンブル、女って。 |
さんま |
もう、そのとおりですね。 |
糸井 |
生のものは、追いつくも追いつかないも、
「いま」ですもんね。 |
さんま |
そうです、そうです。
だから、ぼくは、改めようとか、
いろんなこと思いましたけど、
追いつかなかった人生で
終わるんだろうと思うんですよ。 |
糸井 |
できることは、
いつも生でいることだけですね。 |
さんま |
そう思うんですよ。
たぶん、どうやっても悔いは残るでしょうから。
「悔いのない人生を」なんて言う人はね、
なにか違うんじゃないかなぁと思うんですよね。
あの、こないだも、あいだみつをさんのことばで
「敗者がいるから勝者がいる」
みたいなのがあって、
それ見て、思わずテレビで
「アホや」言うてしもうたんですけど。 |
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一同 |
(笑) |
さんま |
いや、もう、失礼なことなんですけど、
思わず言うてしまったんです。
まあ、すごいことばなんですけども。 |
糸井 |
なんでしょう、
止まって考えていることばというか、
生ものとして見てないというか。 |
さんま |
そうですね。
だから、ぼくには助けにならないというか。
あの、あいださんは
女で苦労してないなと思いましたね。 |
糸井 |
(笑) |
さんま |
あの人は、
女でどえらい目にあってないなとか。
金、請求されてないかなとか。 |
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一同 |
(笑) |
さんま |
いや、もう、すいません。 |
糸井 |
あいださんというよりも
「敗者がいるから勝者がいる」という
ことばに対する違和感ですね。 |
さんま |
そうです、そうです。
オレとは違うな、ということです。 |
糸井 |
なんていうのかな、
「まだ運転できる車なんだ」と思って
運転していけば、それはそれで、
きっと、道は走れるんだけど。 |
さんま |
そうそうそう。 |
糸井 |
「どうだろう、その旅行は?」
みたいな気持ちはありますよね。 |
さんま |
まぁ、そのやり方で
遠くまで行く人もいるのかもしれませんけど、
ぼくとは違うなと。 |
糸井 |
「追いつかないんですよ」
のほうがよっぽど重いと。 |
さんま |
(笑) |
糸井 |
だから、さんまさんも色紙にね、
「追いつかないんですよ。
あかしやさんま」と。 |
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さんま |
クワー(笑)。 |
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糸井 |
「追いつかないんですよ」ね。 |
さんま |
追いつかないですねぇ。いろいろ。 |
糸井 |
けっきょく、追いつくことがあっても、
「追いついた」というのは、
止まってる状態で思えることですから。
それはいったん安定するかもしれませんけど、
安定って、イコール渋滞ですからね。 |
さんま |
ああ、なるほどね。 |
糸井 |
動いてるからこそ、不安定になるんで。
極端にいえば、その、
死んじゃったら安定しますよね。 |
さんま |
ですよね。ええ、ええ。 |
糸井 |
その意味で、さんまさんっていうのは、
もう、すごいライブの中にいるんですよね。
ずっと生ものっていうか。 |
さんま |
そうですね。
ずっとそうしていたいと思いますし。 |
糸井 |
で、最後は止まるんです、絶対にね。 |
さんま |
はい。追いつかないまま終わるんです。 |
糸井 |
終わったときに、
シリコンで前が膨らんでるかどうかは別にして。 |
さんま |
クワー(笑)。 |
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(続きます) |